藤田昌志 比較文化学のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

反共親米の東洋思想   2026.10.29 木

           反共親米の東洋思想  アメリカの反共精神は他国にはないような痛烈なものであり、それはアメリカが基本的に国も個人も「自由と競争」によってこそアイデンティティを保っている新興移民国家であるからだ。 また、アメリカには西欧的な知性に対する反感は強く、これはよく「反知性主義」と呼ばれ、「反共」につなか゛っている。  日本社会はアメリカのような「自由と競争」に抵抗のある、家的社会主義…

なのにあなたは京都に行くの チェリッシュ  2026.10.28 水

「なのにあなたは京都へゆくの」チェリッシュ(高音質) AI による概要 チェリッシュのデビュー曲「なのにあなたは京都へゆくの」は1971年9月に発表され、1970年前後の「京都ブーム」と、若者の間で高まった「フォーク・ニューミュージックの人気」という時代背景の中でロングセラーを記録しました。 1970年前後の京都ブーム 歌謡曲の舞台: 1970年のザ・スパイダースの渚ゆう子による「京都の恋」や、…

クジラを食べてはいけないのか?    2026.10.27火

      クジラを食べてはいけないのか?  吾輩はこう思う。銛(もり)で突かれて死ぬとき、苦痛があるかもしれないが、飼育され家畜になるよりはましではないかと。食肉に育つまでエサは保障されるが自由に走り回れないのといずれ捕獲されるかもしれないが自由に生きるのとどちらを選ぶかと聞かれれば、吾輩は後者を選ぶ。動物だって同じではないだろうか。フランス料理のジビエ(狩猟して捕獲した肉の料理)が許されて、…

藤原氏悪評のからくり  2026.10.26 月

       藤原氏悪評のからくり  『日本書紀』は蘇我氏を王家をないがしろにした大悪人と断定するが、近年、史学会は「蘇我氏は改革派で、王家を盛り立てていた可能性が高い」と考えるようになった。ただ、そうなると新たな謎が生まれる。  『日本書紀』編纂時の権力者は645年、乙巳の変で蘇我入鹿を暗殺した中臣鎌足の子の藤原不比等だ。藤原不比等は父の鎌足を顕彰するために、蘇我入鹿暗殺を正当化する必要があっ…

あなたのとりこ シルビー・バルタン 2026.10.25 日

「あなたのとりこ」 シルヴィ・バルタン(和訳)Irrésistiblement - Sylvie Vartan AI による概要 シルヴィ・バルタンの「あなたのとりこ(Irrésistiblement)」が発表された1968年は、若者文化が爆発的に花開き、世界中で社会変革のうねりが起きた激動の時代でした。 [1, 2] 1960年代後半の社会的背景 イエ・イエ・ガール…

聖武天皇⑤  2026.10.24 土

                    聖武天皇      聖武天皇⑤ 749年(天平勝宝元年)聖武天皇は自らを「三方の奴」と称して出家し、娘の阿倍内親王(孝謙天皇)に譲位し、太上天皇となった。  大仏は造立再開から7年の歳月を費やして752年(天平勝宝4)に開眼供養が行われ、式典にはインド、中国、ベトナムなどの僧も含めて1万人の僧が参加して、国際色豊かな式典となった。一連の事業の成功により、聖…

鶴田浩二  男  2026.10.23 金

鶴田浩二 男 AI による概要 鶴田浩二の楽曲「男」の発売日は1971年7月5日です。 昭和の銀幕スター・鶴田浩二が体現した「男」像は、戦中派としての過酷な戦争体験と、昭和の激動する社会の変遷という時代背景に深く根ざしていました。 戦争の影と戦中派の哀しみ 海軍航空隊への所属: 終戦まで特攻隊の整備士などとして海軍に所属し、多くの仲間を特攻で見送った経験を持つ。 背負った非哀: その実体験からく…

聖武天皇④  2026.10.22 木

                      聖武天皇      聖武天皇④  当時の仏教は「氏族仏教」と言われ、有力な氏族が私的な立場で信じるもので、僧侶の活動は国家の統制下に置かれていた。聖武天皇はそのような仏教を社会に開放し、国家と国土を安穏に導く鎮護国家のための法の教えとして位置付けた。  聖武天皇の仏教崇拝は母親譲りの強い崇仏心を持っていた皇后の光明子とともに進められた。741年(天平1…

長崎から船に乗って・五木ひろし 2026.10.21 水

長崎から船に乗って・五木ひろし( 歌詞付) AI による概要 五木ひろしの「長崎から船に乗って」が発売された1971年(昭和46年)は、ご当地ソングブームの全盛期であり、同時に長崎をテーマにした流行歌の曲調や扱いに変化が表れ始めた時代背景がありました。 歌謡界の動向と長崎ブームの変遷 前作の大ヒット:前年の1970年に「全日本歌謡選手権」で優勝した五木ひろしが、1971年に「よこはま・たそがれ」…

聖武天皇 ③ 恭仁京遷都 2026.10.20 火

               聖武天皇      聖武天皇 ③  恭仁京遷都  長屋王の変後、数年して天然痘が流行し始め、藤原四兄弟が罹患し、全員死んでしまう。740年(天平12)には藤原広嗣の乱が九州で起こり、聖武天皇はおもむろに関東(鈴鹿の関や不破の関よりも東)へ行幸に出発し、恭仁遷都を宣言してしまう。  行幸の伊勢、美濃、近江と円を描くようなルートは天武天皇の壬申の乱のときとほぼ同じルート…

聖武天皇 ②    2026.10.19 月

                      聖武天皇     聖武天皇 ②  724年(神亀元年)聖武天皇は大極殿で即位した。そのころ、政治の主導権を握っていたのは長屋王で、長屋王は祖父の天武天皇が大友皇子と皇位を争った壬申の乱のときに、大きな働きをして、父、天武を助けた高市皇子 たけちのみこ の子である。不比等は聖武天皇が即位する4年前の720年(養老4)に世を去り、これに代わって長屋王が浮上…

女の朝  美川憲一 2026.10.18 日

おんなの朝 美川憲一 AI による概要 美川憲一の『おんなの朝』は1970年12月25日に発売されました。男性の美川が女性の視点・本音を歌うことで大ヒットしましたが、当時の社会背景には、経済成長に伴う女性の社会進出や恋愛観の解放があり、歌謡曲でも女性の自立や情熱的な感情が強く表現されるようになっていました。 『おんなの朝』の楽曲背景 ヒットの記録:前作「みれん町」に続くヒットとなり、約30万枚を…

聖武天皇 ①   2026.10.17 土

                  聖武天皇      聖武天皇 ①  701年(大宝元年)に生まれた首皇子(おびとのみこ)こと聖武天皇は、父は文武天皇、母は藤原不比等の娘の宮子。曾祖母にあたる持統天皇が造営した藤原京で誕生した。天武のあと、持統、文武(男性。25歳で死去。)、元明(持統の妹。文武の母。)、元正(元明の娘。聖武の叔母。)と女帝がトップに立つ時代が続く。  元正天皇に元明天皇が譲位…

ついて来るかい・小林旭  2026.10.16 金

ついて来るかい・小林旭(歌詞付) AI による概要 小林旭の『ついて来るかい』(1970年発売)は、過度な経済成長の影で生まれた「男の哀愁」と「夫婦の絆」が時代背景にあります。作曲家・遠藤実自身の苦境と妻への愛を反映したこの曲は,当時の人々の共感を呼び,翌年のカラオケブームの礎にもなりました。 『ついて来るかい』がリリースされた1970年は、日本が高度経済成長の絶頂期にありながら、公害問題や都市…

河上肇の構造問題論の流れ  2026.10.15 木

                       河上肇       河上肇の構造問題論の流れ  河上の「むだなものを作ってはいけない」という構造問題論の流れは戦時中の経済政策の形成の中で完全によみがえる。三木清とか笠信太郎なんかは完全に河上的な発想です。河上的な生産的社会政策、生産的な国家介入理論で戦時中に資本主義経済でも社会主義経済でもない第三の道を目指しました。その影響下に大河内一男もいました…

さよならをもう一度 尾崎紀世彦  202610.14 水

さよならをもう一度 尾崎紀世彦 AI による概要 尾崎紀世彦の「さよならをもう一度」は1971年7月に発売されました。前作「また逢う日まで」の大ヒットを受け、高度経済成長期の勢いそのままに、都会的な男女の別れを壮大なスケールでドラマチックに歌い上げた、当時の革新的なポップスシーンを象徴する楽曲です。 [1, 2, 3, 4, 5] 【当時の時代背景と音楽的特徴】 「新しい男女像」の提示 1970…

河上肇 1911 「日本独特の国家主義」 2026.10.13 火

                      河上肇    河上肇 1911 「日本独特の国家主義」  河上肇のこの論文によると、河上は、西洋は個人主義で、日本は国家主義、西洋は人格で日本は国格―国に人格がある―、西洋は規範主義で日本は天賦国権、西洋は民主国、日本は国主国、西洋は権利国、日本は義務国、西洋のキリスト教徒、日本の国家教徒といった対比をしている。  日本では個人は国家構成するパーツに過…

河上肇の『貧乏物語』  2026.10.12 月

                          河上肇     河上肇の『貧乏物語』  ワーキングプアの発生に河上は生産のミスマッチを見た。つまり、資源の配分を効率的にやっていない。そこには構造問題がある。だからこそ構造改革論になる。  河上は生活必需品より金持ち目当ての贅沢品ばかり作っているから生産の非効率性が発生し、貧しい人が増えていると言う。言い換えると、ぜいたく品の消費を止めようとい…

Melody Fair - Bee Gees 1971   2026.10.11 日

Melody Fair - Bee Gees 1971 歌詞 対訳 AI による概要 ビー・ジーズの「メロディ・フェア」は、1971年の名作イギリス映画『小さな恋のメロディ』の主題歌として世界的な大ヒットを記録しました。この曲は元々1969年のアルバム『オデッサ』に収録されていたものです。 当時の1970年代初頭は、大人たちの価値観や古い教育制度に対する反発、そしてベトナム戦争などの泥沼化を背景…

大正教養主義   2026.10.10 土

                大正教養主義 片山杜秀 近代日本で国家を超えた連帯が模索されたのが大正デモクラシーの時代で、例えば大正教養主義では「普遍への到達」ということがしきりに言われました。「普遍」とは民族を超えるような人類や抽象的人間一般のことです。哲学では普遍的な道徳を論証するようなカントが当時の必読書でした。その背景には第一次世界大戦後の国際協調路線もあったでしょう。しかし世界大恐慌…