サーキュラーエコノミー 京都から 2022.11.19 土 京都新聞夕刊
八方良菓 の シュトレン
サーキュラーエコノミー 京都から 2022.11.19 土 京都新聞夕刊
内容要約
京都市内で サーキュラーエコノミー 循環型経済 の定着を目指した取り組みが動き出している。たとえば古着の回収と必要な人への無償提供。
面白いのは、廃棄される「生八つ橋」の切れ端を粉末にして粉砂糖のようにして使うという「八方良菓」の代表、安居昭博さん。作るドイツの伝統菓子「シュトレン」の全体の30%が京都のロス食材。「生八つ橋」の切れ端以外に梅酒づくりに使われた梅の実、おからや酒かすなど本来廃棄される食材を仕入れて、生地に練り込み、焼き上げる。11月中旬からオンライン、12月からは市内の百貨店で販売を始めるという。
安居さんは京都には、新しい取り組みに挑戦する空気があると言い、チェーン店ではない個人店が多く、中心街がコンパクトで自転車圏内に街の機能が集約されている点を挙げて「人と人がつながりやすく、小さくても優れた仕組みを整えやすい環境がある」と話す。(坂口彩子 記者)
ノート
京都は、元来、職人の町であることは何回か述べた通り。パンの個人店も多い。パンは創意工夫がしやすいのであろう。
コンビニチェーン店の食品ロスは問題になっている。セブンアント゛ホールディングの店が賞味期限まじりの弁当を独断で安売りしようとして、本部に嫌がらせを受けて、廃店の危機にあることは話題になっている。
大量生産、大量消費の基本は、均質な商品の生産にある。
「不揃いなリンゴたち」というテレビドラマが40年ほど前に流行ったが、現実の社会は「稼ぎのいい」社員を採用する大企業が幅を利かせている。拝金主義は至上命令で、大学ですらその中に組み入れられている。
京都の職人的な、いい意味での個人主義の伝統がこうしたサーキュラーエコノミー 循環型経済 の定着に寄与してほしい。
2022.11.21 月曜日