藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

1996 米  ツイスター

   

  1996 米  ツイスター    2023.1.23  月 BSP  pm1:00-2:54
     あらすじ
 幼いころ、大竜巻で父を失った女性科学者ジョーは観測チームのリーダーになって竜巻を追っていた。そんな彼女のもとへ、夫のビルが離婚届のサインを求めて訪ねてくるが、かつてジョーと同じチームにいたビルは自分が考案した竜巻観測機を見て心が動く。そんな時、竜巻発生の情報がもたらされる。 
 竜巻に巻き込まれたジョーとビルは竜巻観測機ドローン4号を竜巻に突っ込ませる。ドローン4号は竜巻の中に入ってデータを送る。CGによる圧巻の映像。竜巻を避けて小屋の中へ入って耐える二人。竜巻は去り、二人は助かる。助け合った二人はよりを戻す。
 自然の驚異である竜巻に立ち向かい、データを取ることに命を懸ける人々の姿を描く。
 監督は「スピード」のヤン・デーボン。


     ノート
 自然科学の対象としての竜巻はいつかは人間によってコントロールされるべき存在であると言う考えに基づく映画。
 アメリカ映画に特徴的なことの一つは、自然は人間によってコントロールされるべき存在であるという、キリスト教の「人間による自然の飼い慣らし」という考えの焼き直しが反映していることである。自然の素晴らしさを謳い、人間との調和を謳う映画はまれである。「大草原の小さな家」は自然の中で家族のすばらしさを謳う作品である。自然事態を賛美していない。
 自然詩については西洋より東洋のほうが優れているという考えがあり、それは自然との一体を謳う陶淵明や自然観照の王維の詩にあらわれているという考えである。夏目漱石は、おおむねそうした観点を持っている。


                       202.1.28       土曜日

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