藤田昌志 比較文化学のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

日本の能面はなぜ焼かれないのか?  2025.7.1火

比較文化学的

    河回(ハフエ)仮面              能 面

   日本の能面はなぜ焼かれないのか?

 韓国で唯一、焚焼されず、現在国宝に指定されている「河回(ハフエ)仮面」は御堂の中で「ご神体」として祀られたので、つまり「神」だったので焚焼されずに済んだ。日本の能面も一種の「ご神体」と考えられる。

 朝鮮半島にも怨霊信仰はあるが、怨霊の祟りは危険なもの、不浄なものとして捉え、それをできるだけ避けようとする。それに対して日本では、それを丁重に鎮魂し、御霊(=善神)に転換させようとする。日本の怨霊は、少なくとも世阿弥の夢幻能に出てくる怨霊は、鎮魂済みの「神」なのである。その魂が宿った面を燃やすなどとんでもないということになる。

     井沢元彦(2003)『逆説の日本史⑧中世混沌編』p.331

         ノート

  韓国は純粋さを求めるあまり、排除、排他的になるのだろうか。

  日本は、怨霊を御霊(=善神)に転換させようとしたので、鎮魂済みの「神」となった能面を燃やすなどとんでもないということになったと井沢氏は言う。日本はデュアルで、将棋で歩も成れば「と金」になる。怨霊も鎮めれば、御霊=善神になるというのは、能の最後の仕手の一心不乱の舞を見て笛の音を聞けば首肯できる。ルサンチマンは昇華されるのである。ここに日本文化の秘密がある。

                           2025.7.1   火曜日

×

非ログインユーザーとして返信する