藤田昌志 比較文化学のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

シャーマニズムとアニミズム  2025.2.8 土

比較文化学的

            アニミズム
   シャーマニズムとアニミズム
 シャーマニズムは文字通り、シャーマンというカリスマを持った特権者が天と地を媒介して天の意思を地上に伝える役割をすることによって、地上に対する支配力や影響力を持つという垂直的な構造で出来上がっている。
 ところが、アニミズムは、共同体のすべての構成員が「この木にはいのちがある」「この岩はカミである」と共同主観的に決めることによって、世界の生命的構造を構築していく思想である。
 アニミズムにおいては、シャーマニズムと違って多数者に従うか従わないかという基準しか意味を持たない。従っているうちは快適だが(和だから)、従わなければ危殆に瀕する。日本社会の「和」がこういう生きにくさを持っているのは、それがアニミズム的だからなのである。    
             小倉紀蔵(2019)『京都思想逍遥』ちくま新書 pp.276-278
            ノート  
 アニミズムは「村」的で、閉鎖的である。日本人は周りに合わせて生きてきた。農耕社会なので、田の水をみんなで共同管理する必要から、人に合わせる習性が身についたと日本文化論でよく説明される。網野善彦は芸能を職とする遊行者などもいたと日本農耕社会説を批判した。
 アニミズムについての小倉氏の考えは検証してみないと何とも言えないが、価値観の共有を要求する「同調圧力」が強い日本社会を説明する根拠の一つにはなるだろう。類例を多数挙げて、検証しなければ本当かどうかは判定しがたい。もっともタイラーなどの西洋の宗教学者がアニミズムを一神教より下のものとみなしていることにも注意を払う必要がある。


 参考
 タイラーは,宗教の基礎は万物に霊魂が宿るとする信仰,つまりアニミズムにあり,これから精霊信仰,多神教を経て一神教にまで発達したと論じた。 この学説は,進化主義人類学説の代表的なものの一つとされている。 アニミズム タイラー グーグル検索 参照。


                        2025.2.8    土曜日

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