藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

土地の持つ力


   


    土地の持つ力
 東洋学の泰斗、内藤湖南は文化中心移動説を唱え、中国国内で洛陽から南京や杭州、北京に文化の中心が移動しただけでなく、かつては中国文化が日本に伝えられたが、湖南の生きていた時代には、日本文化が中国に伝えられて移動しつつあると、日本の中国への軍事的侵略を肯定するようなことを言い、危なげな言辞だと眉をひそめる研究者もいる。
 そのことは置くとしても、京都という土地について考えてみても、洛(中心という意味)も、洛中、洛北、洛南、洛東、洛西ときれいに分けられ、洛西などは、土地が湿潤で低湿地、低い地であることから開発が遅れた地域であり、洛東は土地が物理的に高く、洛北は洛南よりも土地が高い。京都の街中を自転車で移動すると、そのことがよくわかる。東から西へ、北から南へ行くのはペダルをさほど踏まなくても自転車はスムーズに進む。
 それぞれの地域によって雰囲気が違う。この雰囲気の違いは何なのかと思い、前から気になっているのであるが、いまだによくわからない。たとえば御所の近くと西陣の方では雰囲気が違う。水曜日に整骨院にストレッチ、指圧施術を受けに行くので、そのことを実感する。
 御所のある烏丸丸太町の辺には透明な空気感がある。しかし、自転車でほんの15分、西陣のほうへ行くと、比叡山も北東に見え、自然が多くなった感じがするのである。路地に入ると、機織りの音がかすかに聞こえる地域もある。それも風情である。さびれた感じがなくもないが、私は好きだ。静かな午後の陽だまりに至福を感じる。
 京都駅の南へ行くと、国道があり、騒音がかまびすしい。キムチを売る店が多い。それは一つの特徴だ。左京、洛東の辺は京大もあり、文教地区である。夜は静謐、昔は下駄の音が響いた。洛中には言わずと知れた、御所、二条城などがある。
 風水では鴨川を竜骨に見立て、真ん中に南北に川が流れ三方山に囲まれた姿を京都の条件としている。小京都は皆そうである。北山から降りてくる気の力は、山のない開かれた南に解き放たれる。風水はそう説く。
 土地の力とは不思議なものである。東京でも、東京駅、神田のあたり、新宿のあたり、池袋のあたり、渋谷のあたり、上野のあたりと山手線の駅の中心点があるが、それぞれ、雰囲気が違う。上野駅は東北への玄関。渋谷はおすまし、新宿は大衆的。
 小田急線で西へ行くと、成城学園前があるが、南には前からの住人が住み、北には映画人の豪邸が立ち並んでいる。(逆だったか?)
 土地の持つ力とはいったい、なんなののだろうか❓️


 「風水は当たるかどうかわからない。しかし、風水が儲かるのは確かだ! 」ドクターコパ。
 ドクターコパ どこ行ったあ~? 


                               
                             20231.16   月曜日

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