藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

2022年5月のブログ記事

  • 茶道  さどう・茶の湯

        茶道さどう・茶の湯  来客の際の茶の入れ方や飲み方を様式化した作法で茶の湯ともいわれる。茶道では抹茶まっちゃという、日頃飲む煎茶とは異なる茶を主に使用する。少し普通より大ぶりの茶碗に粉末の抹茶を入れ、湯を注いで茶筅ちゃせん(竹でできた攪拌かくはんする道具)でかき混ぜて、泡立てて飲むのが作法... 続きをみる

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  • 華道(かどう)・生(い)け花(ばな)

        華道(かどう)・生(い)け花(ばな)      華道は 16 世紀頃から盛んになった。またの名を生け花と言う。6 世紀に仏教の僧が仏前に花を捧げたのが始まりだといわれている。自然の花を使って、天(宇宙)、地(地球)、人の 3 要素をバランスよく表現するというのが考え方の基本である。平たい花... 続きをみる

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  • 文化・芸術   浮世絵

    文化・芸術 浮世絵   うきよえ        江戸時代(1603~1867)に発達した絵画で、多くは版画(はんが)として普及した。初めは墨一色であったが、18 世紀中頃には多色刷りの技法が開発された。画材には美人や役者、力士(りきし)などの人物のほかに、風景や庶民の生活などが選ばれた。浮世絵の画... 続きをみる

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  • 切腹  せっぷく

            切腹     切腹とは武士が責任をとって自害(じがい)する方式のことである。平安時代に始まったと言われる。1970 年にノーベル賞候補と言われた、著名な作家である三島由紀夫が割腹(かっぷく)自殺した事件は日本人をも驚かせたが、日本人の中には自分の公的な考えを主張するとき、もっとも大... 続きをみる

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  •  武士道  ぶしどう

           武士道      武士道は鎌倉時代から発達し、江戸時代に大成した武士階層の道徳体系である。儒教的思想に裏付けられている。忠誠・犠牲・信義・廉恥(れんち)・礼儀・質素(しっそ)・倹約(けんやく)・尚武(しょうぶ)・名誉などが重んじられた。武士には支配階級となる前、もっぱら戦うことを職業... 続きをみる

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  • 日本人の集団帰属意識

                 日本人の集団帰属意識      日本人が個人より集団を重視する傾向が強いことはアメリカの E・O ライシャワー教授をはじめ多くの研究者によって指摘されてきた。日本人の集団帰属意識は稲作文化の歴史とかかわりがあるとする見方も多くの人によって認められている。水田稲作農 業では... 続きをみる

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  • 日本人について    国民性

          日本人について    国民性    ①日本人が集まると、年齢や社会的地位などの基準により、お互いの序列が意識され、それによって行動様式や言葉遣いも影響を受ける。序列が下なのに、同等のような話し方(ex.「行く?」「ある」などの普通体(‘plain style’)の話し方。)をすると、「... 続きをみる

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  •          和     柄                 和       日本で初めての成文憲法を作った聖徳太子は「17条憲法」(604)第1条で「和 をもって尊しとなす」と言っている。その憲法の根幹をなす思想の一つが「和」であった。この憲法はその後の律令国家の思想的土台を形成した。当時は... 続きをみる

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  • 本音と建前   ほんねとたてまえ

                  本音と建前  本音とは本心で思っていること。建前とは表向きの方針、主義のこと。狭い共同体の中で皆が平和に仲良く暮らさなければならない日本の地理的、歴史的条件が人間関係のあり方に大きく影響を与えた結果、日本人は本音と建前を使い分けるようになったとする説もある。本音を言うと... 続きをみる

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  • 根回し  ねまわし

                根回し     根回し  会議などで何かを決める際に、異なる意見を持った者同士がいきなり集まると、なかなか意見の一致を見ないので、混乱を避けてあらかじめ意見の調整をして皆の合意を取り付けておくことを指して言う。会議などでは時間の浪費を回避し結論へ至ることができるが、政治の場... 続きをみる

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  •   恥  はじ

                  恥  アメリカの社会人類学者ルース・ベネディクトが『菊と刀』で西洋は「罪の文化」 であり、日本は「恥の文化」であると規定した(と日本人はとった)ことから有名に なった認識である。ベネディクトは内面的で絶対的な倫理基準(キリスト教)である「罪」を基本とする文化が、外的な、... 続きをみる

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  • 人情 にんじょう

       健さぁーん  !    人情   親子・恋人同士・友人知人などの間に通い合う愛情、友情などの人間的な感情のこ とをいう。日本社会では人情は義理と対比されることが多く、義理が人から受けた恩 に報いるという規範であるのに対して、人情は人に対する自然な感情の発露である。 「人情に厚い」というのは優... 続きをみる

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  • 義理  ぎり

              義理チョコ   義理  主 従、親子、夫婦、兄弟、友人(場合によっては敵や取引先)といった人間関係の中で恩を受けた相手のことをいつまでも忘れず、気にかけ、その恩に感謝し、ときには自分が不利益をこうむっても、また自分を犠牲にしてでも、相手の幸せや利益を実現する決意のこと。義理は具... 続きをみる

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  • 恩 おん

         恩 おん  目上の人から受けたありがたい恩恵。目上の人がかける情(なさけ)。武家社会に主君が従 者に土地を与えたことが語源。日本の社会は基本的に縦社会であると言われてきた。    目上の者は目下の者の面倒を公私にわたって見る代わりに、目下の者は目上の者に恩を感じて敬意を払って、忠 誠を尽... 続きをみる

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  • 間 ま

       間 ま  間は時間的休止や空間的空白を意味するが、単なる空白ではなく、「間が持てない」 (=人との会話がとぎれたときに時間がうまく 扱えなくて、具合が悪い)ということ ばもあるように、リズムと呼吸に大きく関係がある。能、歌舞伎などの演劇、踊り、 音楽、話芸を批評する際のキーワードにもなる。音... 続きをみる

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  • 日本人の精神  わび・さび

                 長谷川等伯      松林図屏風  日本人の精神  わび・さび      わびやさびは日本の伝統的な芸術である茶道や俳句などが目指す究極の美の境地を 意味している。ふたつとも「わびしさ」や「さびしさ」といった寂寥感が根底に存在していて、簡略さ、簡素さをよしとし、華美を嫌う... 続きをみる

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  • 日中対照言語学会第46回大会及び日中対照言語研究国際シンポジウムのお知らせ

    日中対照言語学会 公式ホームページ http://jccls.jp/        昨日から今日まで全国大会をしています。興味のある方は、ホームページにアクセスして、参加してください。日本語での発表が半分以上です。日本語と中国語の表現、文法などを対照して研究する学会です。たまにこんなのを聞くのも面... 続きをみる

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  • 縄文と弥生

       縄文土器               弥生土器 縄文と弥生 ○原始時代(~3 世紀まで)  1 万年前から紀元前 300 年頃までの縄 文時代は主として狩猟、漁業、採集などによっ て生活していた。土器に縄の模様を付け始めたことから縄文時代という。その後、3 世 紀までの弥生時代は、稲作を行い... 続きをみる

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  • 「日本人」座談会で柳田国男が語る

        「日本人」座談会で柳田国男が語る 柳田国男(昭和53)pp.254-283    奈良朝下半期に日本が新たに得たものは非常に多いが失ったものもたくさんある。それが非常に残念な気がする(p.256)。  日本という国土が何を日本人に与えたかという問題を誰かにやってもらいたい(p.258)。 ... 続きをみる

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  • 日本人の不安と希望

       不安と希望 堀一郎  柳田国男(昭和53)pp.221-253     愛郷心とか愛国心といわれるものの中に、時として他を排することによって、あるいは他をさげすむことによって、自己独善の弊へ猪突したのは、常に存在不安に基づく劣性感がひそんでいるからにほかならない(p.228)。     日本... 続きをみる

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  • 日本人の権威感

       日本人の権威感  和歌森太郎 柳田国男(昭和53)pp.172-198   普通の日本人にとっては、具体的な人間の存在や活動の仕方について、権威を覚えたり、反対にそうでもないという心の持ち方をする。まず「エライ人」があって、その「エライ人」にまつわる一切のものが、権威をもってながめられる関係... 続きをみる

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  • 日本人の表現力

                      赤     石   日本人の表現力 大藤時彦  柳田国男(昭和53)pp.145-171      日本人は表情にとぼしいとよく言われるが、日本ではごく狭い世界によく気心の知れあった者同士が何代となく年月を重ねて生きてきたので、微細な顔面の表情だけで相手に気持ち... 続きをみる

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  • 日本人の共同意識

      日本人の共同意識  最上孝敬 柳田国男(昭和53)pp.117-144     皇室中心の忠誠心などは急速に作られたもので、新たに広まった国民一般の共同意識のいわば基底に、これと趣を異にした共同意識の古くから培われきたったものが厳として存在している(pp.119-120)。      かつての... 続きをみる

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  •   柳田国男  「家の概念」

                 柳田国男 「家の概念」  柳田国男編(昭和53)pp.33-57      元来、家というものの意義は、単に集まっているという以上に、日本ではもう一つの任務があった。それを百年ごろ前から、世の変遷とともに意識は薄れつつあるが、つまり善悪の基準となるべき古くからの慣行で、こ... 続きをみる

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  • 柳田国男 「日本人とは」

                   柳田国男 「日本人とは」 柳田国男編(昭和53)『日本人 新装版』毎日新聞社 pp.1-13     東洋には古くから大勢という言葉が流行していて、一つの新しい傾向が芽ばえてくると、その価値を確かめもしないうちから遅れずについていこうとしてあせる気持ちがあった(p.1... 続きをみる

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  • 明治大帝―日本型立憲主義の造形

                     明治大帝―日本型立憲主義の造形     瀧井一博(2013)『明治国家をつくった人々』講談社現代新書 pp.291-315     穂積八束が4年余りの欧州留学から帰朝し、明治22年、「帝国憲法ノ法理」と題する講演を行い、憲法の更に上にある天皇の意思を強調すると、... 続きをみる

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  • 東條英機  (1884年(明治17年)12月30日- 1948年(昭和23年)12月23日)

                    東條英機       (1884年(明治17年)12月30日- 1948年(昭和23年)12月23日)                          阿部眞之助(2015)pp.351-386     内容要約  日露戦争の勝利で軍人がもてた時代がある。それをい... 続きをみる

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  • 西園寺公望 (1849年12月7日(嘉永2年10月23日) - 1940年(昭和15年)11月24日)

                 西園寺公望      (1849年12月7日(嘉永2年10月23日) - 1940年(昭和15年)11月24日)                                                                     阿部眞之助(2015)... 続きをみる

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  • 桂太郎 (1848年1月4日〈弘化4年11月28日〉- 1913年〈大正2年〉10月10日)

                     桂太郎  (1848年1月4日〈弘化4年11月28日〉- 1913年〈大正2年〉10月10日)   阿部眞之助(2015)pp.319-348     内容要約  桂は少年時より長州藩世子のお小姓を勤め、貴人に対する作法を心得ていた(p.321)。学問は彼の柄では... 続きをみる

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  • 板垣退助 (天保8年4月17日(1837年5月21日) - 大正8年(1919年)7月16日)

                 板垣退助  (天保8年4月17日(1837年5月21日) - 大正8年(1919年)7月16日)  阿部眞之(2015)pp.287-315   内容要約  思うに板垣は、無駄な長生きをしすぎたもののようだ。華々しい前半生の活動を、意味のない後半生の生存により、塗り消して... 続きをみる

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  • 大久保利通 (1830年9月26日(文政13年8月10日)- 1878年(明治11年)5月14日)

                    大久保利通 (1830年9月26日(文政13年8月10日)- 1878年(明治11年)5月14日) 阿部眞之助(2015)pp.257-283      内容要約  鹿児島城下甲究川の河畔、加治屋町に西郷と大久保は生を受け、西郷は大久保より長ずること三歳、両者は相許... 続きをみる

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