インドネシア人から考える
インドネシア人から考える
日本語中級のクラスにインドネシアの人が出てきていた。20年以上前の話である。国費留学生だった。社会学が専門で、都市生活者の生活水準の調査をしていた。
感じのいい人で、温厚な物腰と優しげなまなざしはインドネシアの人に多い。そうした一人だった。親しくなるにつれて、インドネシアには100以上の小島があり、今も土間で生活している人が多くいる、電気も通っていないところもあると自分の国の恥部をさらけ出すようなことを話し始めた。こうした国はアジアに多い。国民国家を形成できたのはごくわずかである。「誰も置き去りにしない社会」とSDGsは言い、それをスローガンにする団体もある。じゃあ、あんたら、今まで環境問題に対して、この50年、何をしてきたんだと言いたくなる時がある。
四割非正規雇用の社会がすでに「人を置き去りにしている社会」じゃないか。その社会を作った小泉と竹中、安倍に謝らせろ。彼らは権力の何たるかを知っているから、絶対、謝ることはない。
くだんのインドネシア人は、博士課程に入るためにオーストラリアへ移り住んだ。今、どうしているだろうか。
2023.4.20 木曜日