藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

1923.9.1 関東大震災時の朝鮮人虐殺     2023.11.6

   

流言飛語による惨劇 朝鮮人虐殺/関東大震災(5) - ことばマガジン:朝日新聞デジタル


  1923.9.1 関東大震災時の朝鮮人虐殺 
 1923.9.1関東大震災時の朝鮮人虐殺があったのは事実であるが、その理由について、大正デモクラシーの旗手、吉野作造は11月の『中央公論』紙上に「朝鮮人虐殺事件に就いて」を掲載し、自警団による朝鮮人虐殺の根底には、朝鮮人の日本人に対する「不満」が「潜在的確信」として日本人の中にあったのではないかと述べている。「潜在的確信」とは被害者の報復への、加害者の潜在的恐怖心のことである。
 人間である限り、人を殺せば恨みを買うのはわかる。その恨みによって被害者から報復されるのではないかという恐怖心が加害者を更なる虐殺に駆り立てるということだろう。
 アメリカの東京大空襲、広島、長崎への原爆投下はアメリカのそうした「潜在的恐怖心」のなせる業なのかもしれない。アメリカ人は特攻によって自らの命を犠牲にして、殺しても殺しても歯向かってくる日本人に「潜在的恐怖心」を抱いて、殲滅方針に転換したのではないか。どうせ人間とは思っていなかったし。
 1937年の南京事件の際も、「生きて虜囚の辱めを受けず」という「戦陣訓」で教育された日本兵士とは異なり、中国人捕虜がどんどん増えて、更に軍服を脱ぎ捨てて民衆の中に紛れ込む「便衣兵」の増加によって兵士と民間人の境がわからなくなり、虐殺に走ったということがあったのではないか。 
 日本人も戦争になると、結構、残虐な加害者となっている。秀吉の「朝鮮征伐」の際の「耳塚」、今も根強い在日○○人ヘイトスピーチを思うにつけ、日本人のダークな部分に暗澹たる思いがする。私は戦争絶対反対論である。すでに6倍の軍事力を持つ隣国とは平和外交しかないだろう。軍事力を4兆円にするなどと言うから、軍事産業の拠点がシンガポールから東京に移り、台湾有事を勝手に想定してテレビマスコミがあおるから、それで儲けようとする〇〇重工などの戦争軍事企業が喜ぶ。
 現在の日本の「反中」意識は「潜在的確信」=中国に侵略されるというのは加害者の「潜在的恐怖心」ではないか。かなりのことを前の戦争で日本人がしているのは事実である。食べ物は現地調達、つまり農民の物を取れということだ。当然、農民の恨みを買うだろう。陸軍は頭がおかしい。戦争の実態を認識すべきだ。歴史は繰り返す。History    repeats  itself.
 こうしたことを認識すれば、ヘイトスピーチに加担することはできはないであろう。もちろん言いなりになれと言うことではない。一面的に通州事件だけ取り上げて、四の五の言うなと言うのである。日本軍が何をしたか客観的に知るべきだ。


                              2023.11.6 月曜日

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