藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

京大工学部大学院教授の発言から考える 2023.11.13

               藤井聡 京大工学部大学院教授
  藤井聡京大工学部大学院教授の発言から考える
 ちょびヒゲはやした、言葉遣い、話し方に品位のない藤井聡という京大工学部大学院教授が11月4日の関西朝日放送「正義のミカタ」という報道バラエティー番組で、ガザ地区の問題を考える際の例として、第二次世界大戦は神道とキリスト教の戦いだと折口信夫(しのぶ)が言っているが、様々なファクターであの戦争を捉えないといけないと言っていた。それは国家神道の役割を希釈した言辞である。つまり、ガザ地区のイスラエルとパレスチナの戦いも宗教、キリスト教とイスラム教の戦いというだけでなく、イランとアメリカの戦いなど複雑な要因を見なければならないという文脈で述べたことの他例として挙げた中での言辞であるが、先の大戦での国家神道の精神的支柱としての大きな役割を希釈している。
 一見、正しいようだが、かつての戦争における国家神道の精神的支柱としての多大なる影響を無視した発言である。戦前、日本人は日本は「神の国」で「日本人は世界で最も幸せな国民であり」、「天皇のために死ぬのがもっとも日本人として光栄なことである」と「忠」の思想を「教育勅語」で教え込まれて、「日本は神の国だから絶対勝つ」と信じ込まされて、戦争に駆り出されていたのである。そんな国家神道の大罪を希釈するような発言をする藤井という男は学者と言えるだろうか理系土木工学の教授が文系のことに口出ししているのがおかしい。本人もコンプレックスがあるのか、工学部大学院教授とは肩書に書かない。話し方が品がなく、批判ばかりなので聞くに堪えない。実証主義的研究花盛りの弊害がこんなところにも垣間見える。
 神道は国家神道と鎮守の森の地域、地方神道とを明確に分けないといけない。極めて政治的色彩の強い靖国神社は国家神道の流れの中にあり、彼らはいまだ戦前の戦争を聖戦だととらえている。そこに参拝するのは、戦前の国家主義を賛美し、その国家主義の神道国家のために死んだ軍人を祀る、かつての全体主義国家のために死んだ人間を賛美する、戦前の軍国主義を賛美するととらえるから、隣国は批判するということを知っておいたほうがいい。
 「日本軍国主義」と「一般人民」を分けて、後者は同じ被害者ととらえるところに日中友好の根拠があると中国はかつて日中共同宣言、日中友好条約締結の際に中国人に説明し説得した。その根拠がなくなるから、政治家の靖国参拝を批判するということは知っておいたほうがいい。被害者は加害者のことを忘れない。そのことも知っておくべきだ。
 「水に流す文化」が「善悪をはっきりさせ、永遠に忘れない文化」に「水に流せ」と言っても、相手の文化は容認しないだろう。相違点を探すより一致点を見つけようとして付き合うのが大人の付き合いだ。政治だけでなく、文化から見てみると、深い人間理解につながる。
 今、日本の大学院は中国人だらけである。彼らの多くは私費留学生でアルバイトをしない者が大半である。そういうことも知っておいたほうがいい。テレビは政治一辺倒の、アメリカワシントン追随の偏向報道をやめるべきである。
 もう少しおとなの付き合いをしましょう。それには教養を持つことだ。比較文化の勉強をしましょう。藤井さん、言葉には気をつけて下さい。国家神道の負の面もちゃんと言わないと。そう言えば、そういう両面をを言う人、誰もいないね。テレビコメンテーターに。ずるい連中だなあ。富阪聡さんも最近、トンと見たことがない。


                         2023.11.13      月曜日

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