藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

 二つの「有り難う」          2023.11.27

   

    二つの「有り難う」
 「有り難う」には二つある。恩恵的な感謝と普遍的な感謝。何かしてもらったお礼が恩恵的感謝。心臓が動き、息が出来、瞬きが出来ること・・・何一つあたりまえでないと気づきを与えるのが普遍的感謝
 渋沢栄一の孫として生まれ、今年の1月、天寿を全うされた鮫島純子さんはどんなことにも感謝してきた人生で、足の骨を折ったとき、「頭を打たずに済んで有り難う」と口に出た。
 鮫島さんは生前、語っていた。「財産も名誉もあの世に持っていけない。持っていけるのは、この世で身につけた『想いの習慣』だけよ」。純粋な感謝の気持ちは、アンチエイジングの極めつけなのだと鮫島さんの生き方から学んだ。(内容要約)
「純子さんの有り難う」村上信夫 ことば磨き塾主宰 元NHKエグゼクティブアナウンサー
              京都新聞 2023.11.10  夕刊 現代のことば より


   ノート
 利害の感謝とすべてへの感謝と言い換えてもいい。
 「儲かりまっか」「ぼちぼちでんなあ」
 大阪商人の挨拶だが、昔は「ぼちぼちでんなあ」の前に「おかげさんで。」という言葉が 
 入っていたと誰かが言っていた。感謝があったとの謂いである。
 「すみません」もいろいろある。
  ①迷惑をかけたことへの謝罪 例「ご迷惑をかけてすみません。」
  ②相手への呼びかけの際の言葉。 例「すみません。お冷やもらえますか。」
  ③気を遣わせる(た)事への気遣い。 例「すみません。もうすこし静かにしてもらえま  
   せんか。」
  日本語、日本人は繊細である。イエス・オア・ノーという白黒だけではない。
 「あいまいさ」と言えば、貶義(けなす意味)。「白黒をつけない和の精神」と言えば褒義 
 (褒める意味)。



                          2023.11.27    月曜日

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