藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

2021年12月17日 北新地ビル放火殺人事件から2年  2023.12.27


 2021年12月17日 北新地ビル放火殺人事件から2年
 容疑者の谷本盛男(当時61歳)は、大阪市内で生まれて、25歳で結婚し、男の子二人に恵まれた。2002年から市内の板金工場に勤め、確かな技術で後輩から慕われた。08年に離婚。心中を図るために11年に長男を包丁で刺して逮捕され、大阪地裁で懲役4年の実刑判決を言い渡された。
 出所後の17年、放火殺人現場となった心療内科クリニックに通い始め、再就職を試みたが、希望はかなわず、「前科がわかり断られてしまう」と周囲にこぼすことも。約150万円あった口座残額は21年に底を突いた。
 事件後に大阪府警が容疑者のスマートフォンを調べたところ、交友関係を示すような通話記録はなかった。府警は、事件の動機を断定できないとしたうえで、孤独や生活苦が起因の自暴自棄や自殺願望があったとみている。
 容疑者の遺骨は引き取り手がなかったが、今年9月、前科者の更生支援などに取り組むメダデ教会(大阪市西成区)に安置された。  京都新聞2023.12.17 日曜日 朝刊


 死亡者:27名(20 - 60代・男性14名・女性12名)(被疑者Aを含む)[7]。
負傷者:1名(中等症)[8][9]。
 死亡・負傷した28名のうち、27名は心肺停止状態で全員がビルの4階で発見され、6階から救出された1名は中等症の症状。心肺停止状態だった大半は、クリニック奥の診察室や隣接する大部屋の周辺で倒れていた[10]。当日中に死亡が確認された24名については、司法解剖の結果から全員が一酸化炭素中毒が死因とみられている[11]。21日午前2時50分頃、治療を受けていた女性が死亡した[12]。翌2022年3月7日午前0時25分頃、意識不明の女性が死亡し、事件当時心肺停止だった26名全員が死亡した[13]。 
              ウィキペディア閲覧 北新地ビル放火殺人事件 - Wikipedia
   ノート
 「溜め」のない人による犯行である。
 人間関係、貯金、企業の福利厚生、相談できる人や頼れる家族などがない状態=「溜めがない」人間が増えている(p.210)。ロスジェネとそれ以降には、あまりにも「溜め」がない(p.211)。中島岳志(2023)『秋葉原事件を忘れない』かもがわ出版 2  再録


 私たちは、こうした人のことを考え続ける必要がある。自分のことしか考えない人間にならないために。


                              2023.12.27  水曜日

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