藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

日本人の精神  わび・さび

     

       長谷川等伯      松林図屏風


 日本人の精神
 わび・さび
     わびやさびは日本の伝統的な芸術である茶道や俳句などが目指す究極の美の境地を
意味している。ふたつとも「わびしさ」や「さびしさ」といった寂寥感が根底に存在していて、簡略さ、簡素さをよしとし、華美を嫌う点が共通している。わびは、静かで澄んだ落ち着いた様子を表し、茶道を大成した千利休が追求した境地である。さびは枯れて渋みがあることを意味しており、芭蕉の俳句はそれを理想の境地とした。千利休や芭蕉は利害や人間関係から自由となって、自然と一体となる美を追求した。(拙著私家版(2018)『増補版 日本文化概論Ⅰ―Ⅴ』所収『日本文化概論Ⅳ―キーワード篇―』 p.6 より)


   ノート
 日本人には舶来品の華美、豪華さを尊重するとともに、わび、さびを重んじるところがある。二つあって日本人の精神なのであろう。この75年はアメリカを理想としてきたが、拝金主義が蔓延した日本社会は曲がり角にある。
 わび茶ということばがあるが、抹茶風味は外国人観光客に抜群の人気があり、KitKatの抹茶味も非常に人気がある。もっとも、抹茶は石ができやすいので、腎臓結石のできやすい人は要注意である。かくいう私も、17年前にビールの飲みすぎで、膀胱結石となり、手術したことがある。ダイエットビールというのがサントリーから出ていて、毎日、2、3本飲んでいた。カロリーが少ないからいいと思い、また20年、30年まえには結石にはビールを飲んで、縄跳びをすればいいなどということがまことしやかに言われていたので、ビールは結石予防の飲み物で、いくら飲んでもいいように思われていた。今、ビールはシュウ酸カルシウムができるから結石にはよくないと言われ、御法度である。医者もアメリカの学会の言うことを鵜呑みにしているのだろう。何でもかんでもアメリカに倣えの時代はいつ転換点が来るのだろう。昨日は沖縄返還50周年記念日であった。沖縄に行って、驚くのは、有刺鉄線が果てしなく続く道を外から見ると、黒光りするキャノン砲が空に向かって、ずらっと並び、丘の上には白亜の高級将校の官舎があるベース、つまり基地が続くことである。基地経済による潤いもあるだろうし、一概に否定はできないが、やはり異様である。沖縄の犠牲の上に日本の安全があるのは事実だ。
 今日の連続テレビ小説「ちむどんどん」はいよいよ東京編の始まりか。東京への憧れは半端ない。今はそうでもないだろうが、かつて東京は輝いていた。今は、富裕層が繁栄を享受する町である。もっとも極端に狭い住宅も住めば都となるだろう。
                                 2022.5.16  月

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