藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

稲盛和夫氏  死去   京都市京セラ美術館の名称はいただけない 私欲の表れではないですか

 稲盛和夫氏 死去   京都市京セラ美術館の名称はいただけない 私欲の表れではないですか
 稲盛和夫氏が死去した。享年90歳。
 テレビの中の抵抗(コンデンサ)の素材、セラミックの特許を取り、テレビが売れるほどもうかるという手法でもうけた人である。京セラの創立者。臨済宗と関係があり、本人も「私心」のないことを常に心がけ、色紙には好きな言葉として「利他」と書いている
 京都賞を設けて、学術の発展にも寄与している。日航の再建にも一役買った。
 もっとも、京都市京セラ美術館の名称はいただけない 私欲の表れではないか。
 社会貢献するのはいいが、金を出すから、名前も出せと言うのはゲスのすることである。
 文科省方式である。金を出すから口を出す。文化財に指定したら、なんでも基本変更不可とがんじがらめにする陰湿文科省。国家公務員上級試験の一番成績の悪いのが配置される省だから、劣等感の塊で、この上なく陰湿。30年我慢したら、53歳ぐらいで天下り法人に理事として天下りさせるから辛抱しろと23歳の入省式後、暗に伝える。大学の独立行政法人化も天下り先を作るためとの説もあるが、そろそろと目立たないように地方国立大学に天下りしている。今や国立大学は運営交付金を減らされてつぶされないように、文科省へ米つきバッタ状態。大学はもはや拝金金儲けファースト機関と堕している。人文的教養がかけらもない金儲けファーストの理系馬鹿(馬鹿だからドクターをとっていることで博士貴族層を作っている。夏目漱石は文部省からの博士号を突き返し、大学の博士貴族特権化を憂慮した。)がブイブイ言わせているのがその証拠。
 京都にまで、拝金主義を持ち込まないでもらいたい。少なくともスマートにやってもらいたい。
 旧名、京都市美術館は歴史のある美術館で、今まで横山大観展や竹内栖鳳展等を見に行ったことがある。平安神宮の近くの岡崎の地にあり、広々とした観光スポットの一角である。近くには琵琶湖から引いた疎水が流れ、少し歩けば南禅寺、さらに山形有朋の別荘、無鄰菴もある。無鄰菴には日露戦争について、伊藤博文、小村寿太郎らと開戦するかどうか山形有朋が協議した二階建て洋館も残っている。小川治兵衛作東山の借景庭園は瀟洒で美しい。疎水の水を庭園に引き込んで、小川のせせらぎが心に染み入る。
 そうした歴史文物の近隣の美術館の名称に自分の会社の名前を付けるのは「私心」以外の何物でもない。金を出しても口を出すな、名前を付けるな。無粋の極みだ。京都には似合わない。
 京セラさん、早く前の京都市美術館に名前を戻してください。稲盛さん、浮かばれませんよ。ナームー。


                              2022.9.2   金

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