藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

富士登山    一度は登るもの 二度は登らないもの と言われています

 富士登山
 昨日の金曜日、朝日テレビ系午後7時から2時間放映の「ざわつく金曜日」では富士登山をテーマにして、過去何年かの富士登山の有様を伝えていた。バラエティー番組だから、面白おかしく富士山に登る人たちのことをカメラは追う。
 20歳代後半の三人娘が婚前登山と称して、結婚前に富士山頂にのぼり、ご来光を拝み、結婚できるように祈ろうとする内容が面白かった。三人娘の一人は二週間後にめでたく結婚したが、一回目が台風で登頂できなかったので、翌年二回目、三人で再度、登る。暴風雨のために前に進めず、山小屋の人に臨時で泊めてもらい、無理してやりくりして山小屋の人に提供してもらった稲荷ずしに涙を流す娘さんは純粋で愛らしい。カメラは面白おかしく三人の娘さんの富士登山道中を追う。現代版弥次喜多東海道中膝栗毛である。
 91歳のおじいさんが、毎日、500軒の新聞配達をして体を鍛え、富士登山に挑む。子や孫より元気に登る姿には驚嘆する。
 49歳の息子が80歳の母親と富士登山して、山頂でラーメンを調理して、母親に食べさせるという約束を果たす。
 外国人が暴風雨で行き場をなくし、山小屋のトイレ小屋に多数、無断でこもり、他の登山客に迷惑をかけるというシーンもあった。
 Where  is  ドローン ?  と富士山頂でドローンによる事故防止のために注意喚起するボランティア男性の姿もカメラは映していた。
 富士山登頂という目的の中で、様々な人生がある。風雨のために時には生命の危険にさらさられることもある富士登山。山を、自然をなめてかかってはいけない。
 かくいう私も50年近く前、学生時代の8月に富士山に登ったことがあるが、悪天候のために山小屋とテントに合わせて二泊した。ワンゲルの友達との富士登山であったが、ご来光は曇天のために拝めず、帰りのコークスの山のようなところ(那須の崩れ?)を駆け下りたのが今でも印象に残っている。巨岩石が落ちてくることもあるそうで、何人かなくなることもあるそうだから、やはり山や自然は恐ろしい。それでも人が山に登るのは、自然の中で今までの自分をリセットし新たに頑張ろうとか、ケに対するハレとして自分を浄化しようという日本人の心の中に伝わる遺伝子がそうさせるからなのかもしれない。



                                 2022.9.3  土

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