藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

僕のワンダフル・ジャーニー  2022.11.4 金 読売テレビ Pm9-10:59


僕のワンダフル・ジャーニー  2022.11.4 金 読売テレビ Pm9-10:59
 あらすじ  輪廻転生物「僕のワンダフル・ライフ」の続編。イーサンが大好きなベイリーの生まれ変わりのモーリスはおなかに腫瘍ができで安楽死させられるが、死ぬときにイーサンに孫のCJを守るように切望される。何回か生まれ変わるモーリスは、CJが幼馴染の中国系のボーイフレンドに会えるように手伝ったりして、イーサンとの約束を守る。最後はみんなで農場で暮らしてハッピーエンド。


  ノート
 我の強い人間たちの間で、人と人を結びつける飼い犬は生まれ変わりを何回かしても、元の飼い主のイーサンとの約束、孫のCJを守ることを忘れない。
 人間的な犬は人間と連続している。本来、キリスト教では人間は神の創造物の頂点に立ち、他の動物等を支配する立場に立つのだが、この映画では、犬に助けられる存在となっている。鉄砲ですぐ人を殺すシーンもなく、アメリカ人も平和な物語を見たいと思っているのであろうか。
 CJが飲んだくれの母親のグロリアに「私の面倒を見ていないと、学校に行って私が言ったら、どうなるかわかる?」と脅すようなことを言うのはぞっとする。それだけ、アメリカでは児童虐待が一般的だということだろうか。腫瘍のできたモーリスを勝手に薬で安楽死させるのも飼い犬の命は飼い主が決めるという、当然の常識があるようで、少し肌寒いものを感じる。日本では、老犬を介護して、命を全うさせてやろうとする話をよく聞く。日本のほうが命を大事にしているということなのだろうか。それともマスコミが報道しないから情報が届かないのだろうか。引っ越しの際に、飼い犬を山に置き去りにするというのは報道しているのを見たことがある。日本人は自ら、ペットを殺すのは忍びず、ペットの命を他者にゆだねるのだろうか。外来生物の繁殖もそうしたことが原因となっているようにも思う。


                            2022.11.6  日曜日

×

非ログインユーザーとして返信する