藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

 富裕層観光のための高級不テルの建設は必要か

            リッツカールトン京都


   富裕層観光のための高級不テルの建設は必要か
 富裕層観光客はアメリカに比べて日本に来るのがずっと少ない。富裕層観光客とは一人当たり来日時に100万円以上使う海外旅行客のことである。
 京都では高さ規制等があって、文化財保護の観点からも中京や上京、下京などの御所や二条城のある京都駅以北は簡単に高層ビルは建てられないが、最近、京都駅以南や東山区は一定の高さ制限が緩和されることが市会で決まった。
 勝新太郎や高倉健の定宿、ホテルフジタは鴨川の二条橋のたもとにあったが、今はリッツカールトン京都になっている。高層ではないが一泊一人10万円以上である。
 私は富裕層観光客のための高層ホテル建築より、京都市民の若年層が市外に転出するのを何とかする策を考えるほうが先だと思う。多くの京都市民がそう考えていると思う。
 政治家とはそういうことをするために存在しているのだと思う。地上げをして利ザヤをもうけるという不動産屋の金儲けの仕方が加速すると、人が住めない街が現出してしまう。誰か知恵を出す人はいないのだろうか。いまだ有効打は出ていないようだ。それが証拠に大阪との県境の大山崎などが若年夫婦に人気となっている。このままでは京都市内は観光のためのホテルばかりになってしまう。少し救いがあるのは、市内には手作りパンの店がやたら多いことで、本来の京都の産業、技術都市としての面目躍如たるものがあることである。
                                                2023.5.19  金曜日

×

非ログインユーザーとして返信する