藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

言葉のイメージ

     言葉のイメージ
 ○○人という言い方は日本語教育では避けられる。「○○人ですか」と聞かないで、「○○の国の方ですか」「どこの国から来ましたか」と聞くのが推奨される。○○人というと、イメージがよかったり悪かったりするからだ。アメリカ人、中国人、韓国人、フランス人、イタリア人ではイメージがかなりちがう。それが日本語、日本人の持っている「外国」へのイメージの階級制、階層性である。
 日本の文化では、相手が自分と対等か、下か、上かによって言葉遣いを変える。韓国では相手の年が自分より上かどうかに異常にこだわるという。儒教の影響だろう。
 あるラテンアメリカの学生が、日本の大学に留学して、運動クラブに入ると、クラブの先輩、後輩の上下関係に接して、理不尽だと憤っていた。それでクラブをやめたかどうかは知らないが、自分の持っている文化と留学した国の文化のどちらをとるかは、本人が選択を強いられる難しい問題である。もっとも、適当に臨機応変に使い分ける人間もいる。


                            2023.5.24   火曜日

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