藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

~ている

 

           (単なる)状態を表す  「ている」



  ~ている
 「~ている」は①動作の進行や②結果の残存  の意味を表す。①から「くりかえし」の意味が、②から「経験」や「単なる状態」の意味が派生する。金田一京助氏が中国語母語日本語学習者に日本語を教える中で気づいたことである。金田一氏は「テイル」について有名な論文を書いている。
 以下のような例文が挙げられる。


 今、食事をしている。 ①
 毎日、一時間歩いている。 くりかえし
 電灯がついている。  ②
 彼は2000年にアメリカに行っている。 経験
 この道は曲がっている。  単なる状態


 「~ている」は「田中さんはどう言っていましたか」というような場合にも使われ、その場合の「ている」は「感知の視点」を表すという考えがある。「感知の視点」とはモダリティ=話者の心的態度 である。「田中さんが何か言っているのはわかっているが、その内容は何なのか私は知りたい」という意味の心的態度である。こうした「言っている」を言える日本語非母語日本語学習者はかなりの日本語の達人である。


                              2023.6.6  火曜日

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