藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

内在的要素と外在的要素  歴史を進歩させるものは何か?

  

          アヘン戦争


   内在的要素と外在的要素  歴史を進歩させるものは何か?
 J.Kフェアバンクは1842年のアヘン戦争という外在的要素を中国近代の始まりとし、外在的要素を重視して中国近代史を考えた。欧米が中国を文明化してやったと言わんばかりだ。欧米自らの倫理観のなさを反省することはない。
 それに対して、1980年代初めのP.Aコーエンは内在的要素を重視すべきだとフェアバンクを批判した。
 1980年代、ジョシュア・A.フォーゲルは内藤湖南の宋代近世説(宋代の経済発展が清、中華民国と連続していった。)を内在的要素を重視する説として評価した。
 中国の経済発展とともに内在的要素を重視する考えは脚光を浴び、開発独裁(経済発展、開発にはシンガポールや韓国のように卓越した指導者による独裁政治体制が必要だという説)という考えも脚光を浴びた。
 勝てば官軍、経済発展したら勝ちなのかと思ってしまう。
 20世紀初頭、カール・グレンという言語学者は言語は中国語→日本語→西洋語と孤立語から膠着語へ、更には屈折語へと進化すると、まことしやかに説いた。今ではそう言うことを言う人はいない。学問の信憑性も経済力の大きさで測られるということか。そういえば、アメリカ基準の価値観がいかに多いことか。私はスタバやマクドなどにはいかないことにしている。地球温暖化もイギリス産業革命が始まりで、貧富の差の南北問題は彼ら欧米が、そしてそれに追随した日本が世界に広げているものだ。
 誰か脱経済発展論を体系的に指し示す人が出てこないだろうか。


                             2023.11.1    水曜日

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