藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

アイヌ語と地名 2024.3.8

      

               中西  進
 アイヌ語と地名
 かつて吉田金彦先生の語源研究会、地名研究会にかかわっていた時、研究会で朝鮮語と日本語の語源やアイヌ語と日本語の語源について発表する人が時々いた。その人たちは朝鮮語一本やりやアイヌ語一本やりで日本語の語源を解明しようとしていて、違和感を持ったことを覚えている。一つの理由だけで、日本語語源を解明できるとは思われない。
 2024.2.18日曜日の京都新聞朝刊の「天眼」に「災害は防げないか」という題で中西進国際日本文化研究センター名誉教授が文章を書いている。中西氏は地震には予兆があり、地名が地震災害の予防に役立つというのが自論だと述べている。
 ノトはアイヌ語で半島の意味、ススはアイヌ語で柳のことであり、柳は水辺の地形に最もふさわしい植物だと中西氏は言う。「今回の震源は、珠洲 スス の地下16キロの地点で、断層がずれたという。水辺のやわらかい地形は、直下から強い衝撃を受けたのである。」
 そういう地名の事前知識があったら、もう少し地震対策が事前に出来たのではないかと中西氏は言いたげである。
 中西氏は、令和の名付け親との噂があるが、本人は黙して語らず、地名と災害予防を結びつけるとは幅広い教養のある、さすが国際日本文化研究センター名誉教授である。
 1896年6月15日に三陸地震津波があり、2万7122人が亡くなり、流失・全倒壊8591戸、船被害7032隻という前例が100年前にあった。そこに原子力施設を作るとは、狂気の沙汰であり、東北大震災は人災である。原子力発電の研究は東大をはじめとする理系トップが行うが、歴史についての事実を知ってか知らずか無視していると言わざるを得ない。
 今、防衛費が増大されるにつけ、大学理系の体質が何ら変わらないことに怒りを禁じえない。科研費をとってくる者が勝ちである。国立大は今、そうなってしまっている。文科省は各地域に基幹大学を設置し、他の国立大を管理させようとしている。権力は監視しない限り、ろくなことをしない。皆さん、この事実を知って下さい。宇宙の平和利用と軍事開発研究はダブルスタンダードで科研費の応募対象となり、魂を悪魔に売った研究者がこぞって応募しています。政府は、先進国に遅れないように、軍用機の輸出をしようとしています。軍靴の音が聞こえます。



                           2024.3.8  金曜日

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