モンゴル草原 岡林信康 2024.4.7 日
いま、語る デビュー55周年を迎えたシンガー・ソングライター 岡林信康さん 1
京都新聞 2024.3.9 土 夕刊 記事
約30年前、中国内モンゴル自治区を訪ね「モンゴル草原」という歌を作った。現地の人は自然の風景に溶け込んでいた。すごくショックだった。俺なんてまだまだ、駄目だと思った。今、中国の経済発展の中で、彼らはどうしているのだろう。 岡林信康 談
20代前半の学生運動の時代、左翼的なプロテストソングが大ヒットして「フォークの神様」とよばれたが、やがて政治に決別した。
政治は権力闘争であり、反体制派が体制を握れば、権力になってまた反体制が生まれる。政治では何も変わらない、知らないところで政治的なシンボルに祭り上げられた部分もある。「神様」と言われて喜ぶ人はいない。すごくばかにされた気がする。コンサートのジョークには使えるけど。 岡林信康 談
ノート
やさしい歌である。岡林信康さんの歌はどれも切なくやさしい。かつてあった、今、わたしたちがなくしたものへの思いを歌う。産業革命以来の近代への不信感は、この社会の根底にあるが、今や金融資本主義の時代である。みんな、取り残されないように必死に生きている。
2024.4.7 日曜日