京都府立図書館から平安神宮へ 2024.4.8 月
京都府立図書館
京都府立図書館から平安神宮へ
数十年ぶりに岡崎の京都府立図書館に行った。隣のみやこメッセへは五月の古本市に毎年、欠かさず出かけるが、22年ほど京都市民でなく近畿の京都近県の県民だったので本を借りる資格がなかった。それで足が遠のいていた。外観は古めかしく、あまり従来のものを変えようとしないのは京都的だ。ヨーロッパ的な、外観は従来のものを維持して、中を現代的にするという考えが見て取れる。岡崎の辺りは広々としていて心地よい。
京都府立図書館の中はきれいになっており、木造り重視のコンセプトがよく出ていて、一階真ん中から地下に下りる階段は幅広く、らせん状にしつらえられていて、それも木で作られていて、京都的な洗練と大胆さが感じられた。
現在、興味のある翻訳関係の本を五冊ほど借りて、ざっと閲覧室の机に座って目を通して、図書カードも作り、外へ出た。少し小雨が降っていたようで、道が濡れている。岡崎のあたりは市内より少し寒い。この辺りは平安時代に法勝寺があったところで、源頼光の鬼退治でも有名だ。すぐそこは南禅寺だ。東山の緑が映える。五月になれば、新緑がまばゆい。
府立図書館近くの平安神宮は、いつ来ても清浄感を感じさせ、人をやさしく迎えてくれる。
このあたりはコリアの雰囲気が濃厚だと言ったのは五木寛之である。
朱色の大鳥居や朱と緑の平安神宮はたしかにそうした雰囲気を醸し出している。
大陸的、唐朝的と言ってもいい。中国語では紅と緑は色の代表で、“紅紅緑緑”と言えば、
「色とりどり」という意味である。
平安神宮の枝垂れ桜は谷崎潤一郎の『細雪』に出てくるので有名だ。
あれから一か月。
季節はうつろい、桜咲く季節となった。四時めぐるとはよく言ったものだ。
2024.4.8 月曜日