藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

「触れ合い体験 実は苦手です」



「触れ合い体験 実は苦手です」
 2022.2.14 月 京都新聞夕刊 1面 のタイトルである。京都動物園で、テンジクネズミ(モルモット)が、実は子供らとの「触れ合い体験」が「苦手」だったことが判明したという記事内容である。コロナで約一年半、幼児との触れ合い体験(幼児がテンジクネズミを抱っこしたり、膝にのせたり、自由に触りまくる)を休止していたところ、以前は消化不良などで治療が必要なテンジクネズミもいたが、触れ合い体験を休止している間は、治療回数が激減し、19年と20年の4~9月の治療回数を比較すると、19年は111件、20年は61件で、ほぼ半減したという。テンジクネズミは警戒心が強く、臆病で、同園の獣医師は「触れられることがストレスになり、消化管に不調を起こしていた可能性が大きい」と説明する。同園は抱っこを楽しみにしていた子供たちには申し訳ないが、「動物福祉の観点から理解してほしい」としている。(記事要約、文責筆者。)
   「動物福祉」とは「一般的に、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの配慮により、動物の待遇を改善しようとする考えのことをいう。動物福祉(アニマルウェルフェア)は、近代以降に西洋で生まれ、家畜動物を対象として大きく発展した概念である。日本国内では、「Animal Welfare(アニマルウェルフェア)」は「動物福祉」や「家畜福祉」と和訳されることが多いが、動物福祉という語感から、感情的な「愛護」や介護・医療など含む社会保障を連想する「福祉」だと誤解される場合もあるため、日本国内で使用するときは和訳せずにアニマルウェルフェアとそのまま表記されることもある」(ウイキペディア 2022.2.15 閲覧)。
 私も 「動物福祉」を「感情的な「愛護」や介護・医療など含む社会保障を連想する「福祉」だと誤解」してしまい、思わず、失笑してしまった。比較文化で、西洋のキリスト教は、動物を神からの贈り物と考えるから、牛や豚を殺戮して、食べることに西洋人は罪悪感がないとよく言われてきた。しかし、「動物福祉(アニマルウェルフェア)は、近代以降に西洋で生まれ、家畜動物を対象として大きく発展した概念である」なら、反キリスト教的概念なのかもしれず、ビーガンなどもそこから出てきたのかと想像してしまう。
 閑話休題、こうした記事に抜本的な視点はなく、では動物園自体おかしいじゃないかということにまでは踏み込まない。そういう記事は編集、デスクがつぶすのだろう。結果、生ぬるい記事が出来上がる。何も記事がなかったら、動物記事でというのは、新聞屋の「常識」らしいが、「コロナのメリット」というタイトルまではつけない。批判されるからである。新聞記事が面白くないのが多いのは、こうした「からくり」のもとに記事が書かれ、管理されているからである。「新聞屋・マスコミ ゲス貴族」ですね。

                                


           2022.2.15  火

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