藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

吉本新喜劇のギャグ  笑いとは何か

   


   



吉本新喜劇のギャグ  笑いとは何か
 梅原猛は『笑いの構造』という本を書いている。昔、読んだが、難しくて内容はほとんど忘れた。要は、落語を聞きに寄席に通い、ベルグソン流哲学で笑いを解明しようとしたものである。ベルグソンの生命の流れなどを援用していたと思う。桂枝雀師匠の「笑いは緊張と緩和」説も有名である。
 フランキー堺は、駅前社長などのB級映画に森繁久彌とともに出ていたが、大阪芸術大学教授になり、笑いについて次のように言っている。「笑いには三要素があって、①意外性②誇張③繰り返しの三要素である」。流石、フランキー堺!  簡にして要を得ている。
 吉本新喜劇は、京都祇園吉本もできて意気盛んであるが、ギャグは興味深い。①②③という王道をよく守っている。例えば、


・こ゛めんやしておくれやしておくれやっしゃ~ 末成由美
・眉毛ボーン    ヒロ
・君たちがいて僕たちがいる あー、〇〇さんじゃあーりませんか チャーリー浜
・はっはっはっはっひっふっへっほっ  末成由美
・ おじゃましまんにゃわ~  井上竜夫
・誰がバカボンのパパなのだ~?     花子



  など、古いもの、なつかしいものもある。井上竜夫氏は故人になった。合掌。どれも、①意外性を基礎として、②誇張し、受けると、③繰り返すということを行い、定着していく。


 私は、ミスターオクレの「あほぉ~!」の意外性と哀愁が好きである。関西は「笑い」の理解度が高く、やはり文化が深いと思う。ただ、誤解してはいけないのは、仕事はまじめにしているし、テレビで面白おかしく取り上げているようなのではなく、気分転換として、ストレス解消、息抜きとして一般人はうまく笑いを利用しているのだと思う。30年以上前、有名な朱子学の先生が大学院の授業で「それで、落ちはなんや?」と一回だけだが、言ったことがある。やはり、関西人である。


                                 2022.3.23  水

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