藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

義理  ぎり


          義理チョコ


  義理
 主 従、親子、夫婦、兄弟、友人(場合によっては敵や取引先)といった人間関係の中で恩を受けた相手のことをいつまでも忘れず、気にかけ、その恩に感謝し、ときには自分が不利益をこうむっても、また自分を犠牲にしてでも、相手の幸せや利益を実現する決意のこと。義理は具体的社会慣習としては、便り(年賀状など)、贈答(歳暮、中 元など)などとなって現れる。「あの人は義理堅ぎりがたい人だ。」(良い意味である)などと使う。義理はまた、社会で人とつきあっていく際に、いやでも(したくなくても)守るべき世の中のおきての意味ともなり、それをしないと「義理を欠く」ことになり、非難の対 象になることがある。(拙著私家版(2018)所収『日本文化概論Ⅳ―キーワード篇―』より)


  ノート
 現在ではほとんど死語になっているが、本来、日本人は義理を重んじた。もっとも、この77年間、アメリカを理想とし(=脳内の理想のアメリカを理想とし)、人間関係にとらわれない、自由な生き方をよしとしてきたために、恩も義理も重んじてこなかったと言えよう。されど、前代の文化は残るものであり、便り(年賀状など)、贈答(歳暮、中 元など)などは、前代の名残である。程度の問題で、残るものは残っていくことであろう。
      
                                  
                                 2022.5.19 木

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