藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

文化・芸術   浮世絵


文化・芸術
浮世絵   
うきよえ
       江戸時代(1603~1867)に発達した絵画で、多くは版画(はんが)として普及した。初めは墨一色であったが、18 世紀中頃には多色刷りの技法が開発された。画材には美人や役者、力士(りきし)などの人物のほかに、風景や庶民の生活などが選ばれた。浮世絵の画法はゴッホなどのフランス印象派に影響を与えたことで有名である。(拙著 私家版(2018)所収『日本文化概論Ⅳ―キーワード編―』より)


       ノート
 浮世絵がフランス印象派に影響を与えたことを最初に言ったのは、福本和夫であろう。この人は共産主義者で、「「過程を過程する」など、抽象的かつ難解なレトリックにいろどられた福本の一種独特な文章はたちまちのうちに学生・知識人の人気を集め、その理論は「福本イズム」と呼ばれ共産党員や党周辺の活動家の間で圧倒的影響力を持った。しかし、コミンテルンの「27年テーゼ」で福本イズムが批判されたために失脚、党内での影響力を失った。1928年(昭和3年)6月、三・一五事件に連座して検挙された。その後1942年(昭和17年)まで14年におよぶ獄中生活を送り、獄中で後述する「日本ルネサンス」研究の着想を得た。(ウィキペディア閲覧)」福本和夫は獄中で日本のルネッサンスの研究をし、1650年から1700年にかけて、徳川の封建制が制度的に確立されたとするともに、それへの抵抗として日本ルネッサンスがあったとした。また、浮世絵のフランス印象派への影響にも言及した。
 福本和夫には以下のような著書がある。『日本ルネッサンス史論』法政大学出版局、『北斎と近代絵画』フジ出版社、『日本捕鯨史話』法政大学出版局、『唯物論者のみた梟』法政大学出版局、『フクロウ―私の探梟記』法政大学出版局。研究は多岐にわたる。福本和夫は比較文化学の先駆者である。


                               
                                                                                        2022.5.29    日

×

非ログインユーザーとして返信する