藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

華道(かどう)・生(い)け花(ばな)

    華道(かどう)・生(い)け花(ばな) 
    華道は 16 世紀頃から盛んになった。またの名を生け花と言う。6 世紀に仏教の僧が仏前に花を捧げたのが始まりだといわれている。自然の花を使って、天(宇宙)、地(地球)、人の 3 要素をバランスよく表現するというのが考え方の基本である。平たい花器に水を張って、剣山(けんざん)で花を固定し、花を生ける様式が一般的である。はさみで切って長短をつけたり、葉の形を修正したり、手で反りを加えたりして、自然美や心を表現する。現在では植物を使わない前衛的な生け花も行われている。


      ノート
 岡倉天心(1906)『茶の本』では第六章 花 で、東洋では花の匠は「花」を生き物して捉えて、注意深く慎重に摘む花を選び、そして、数本を美しくいけるだけで、西洋のように大量に飾ったりしない、使った後の花にも敬意を表すとしている。現在では西洋文化の影響で、花も大量に飾られることが多い。
 京都の以下の三派は京都御所拝観期間(往時)の際には、それぞれが特徴ある花を活けて、派の特徴を表現した。
 御室流(おむろりゅう)御室御所「仁和寺」を家元とする流派
 嵯峨御流(さがごりゅう)嵯峨御所「大覚寺」を家元とする流派
 月輪未生流(つきのわみしょうりゅう)皇室の菩提寺「泉涌寺」を家元とする流派


 魯迅は(1928)『朝花夕拾(朝、咲く花の命をいとおしみ、摘むに忍びず、夕方に摘む)』というエッセイ集を出版している。
                             2022.5.30    月

×

非ログインユーザーとして返信する