藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

七夕 たなばた

  七夕   たなばた
 七夕は 7 月 7 日に行われる星祭りである。天あまの川を挟 はさ んで 両岸  りょうがん にさかれた牽牛星  けんぎゅうせい と織女星  しょくじょせい が年に一度、この日の夜に出会うという中国の伝説が、日本の信仰といっしょになったもので、もとは朝廷 ちょうてい の貴族のあいだで行われていた祭りであった。江戸時代(1603~1867)から一般庶民 しょみん のあいだに定着した。6 日の夜には、色とりどりの短冊 たんざく に願いごとを書いたり、歌を書いたりして笹 ささ につるし、7 日の夜に庭先に出す。笹と短冊の一体となった光景 こうけい は美しい。


  ノート
 「笹の葉さらさら 軒端に揺れる お星さまキラキラ 金銀砂子」という七夕の歌がある。さらさら、キラキラといったオノマトペが二つ含まれていて、日本語的である。日本語はこうした、オノマトペ、擬音語や擬態語が多いのが特徴である。笹の葉はさらさら、お星さまはキラキラ、鶏のから揚げは外はぱりぱり、中はじゅわーっ、菓子は外はサクサク、中はしっとり、日本語は感性言語である。言語で世界を秩序立て、解釈することに疑念を持っている日本語。言語の特徴は、線上性と分節性であると言語学は言う。線状性とは言語が時間とともにあることを、分節性とは、言語が世界を限定し、細分化していくものであることを言っている。日本語は世界を感性でとらえて、表現しようとする。その文化傾向は和歌や俳句となって結実している。


                                 2022.8.5  金

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