藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

猫  猫派ですか?それとも犬派ですか?猫の回答:そういうテレビ的な聞き方が嫌いだニャー。

  

  猫
 日本の猫は時には縁起のいい動物で、時には恐ろしい動物である。猫が顔をなでるしぐさは福を招いているように見え、その形が「招き猫」として縁起のいい置物になっている。招き猫は明治・大正の頃に、特に花柳界で愛用されたが、これは当時、芸者のことを「ねこ」という異名で呼んでいたためで、招き猫の俗信も明治以後だとも言われている。その反面、猫は化けて出ると考えられた時代もあり、日本の妖怪の中に「化け猫」がいる。 
 三毛猫は伝統的に優れた猫とされている。


   ノート
 犬のついた姓は結構あるが、猫のついた姓はレアである。人間にとって役に立つものは姓になるが、役に立たないものは姓にならないということだろうか。亀岡や鶴田、鳥居、牛場、馬場、蜂須賀という姓はあるが猫岡、猫背、蛇岡、蟻野という姓はめったに聞かないから、あながち間違っていないかもしれない。かつてウクライナの女子学生に猫目という姓はまずありませんと日本語の授業で言ったら、ゲラゲラ笑っていた。馬鹿貝、アホウドリ、ナマケモノ。勝手な名前をつけるなと彼ら、彼女らからクレームが来るかもしれない。そんな時代だ。
 猫は一日、16時間寝るという。無用の用的な存在は人を癒してくれる。気ままに好きな時に眠り、好きな時に食べる姿は人間の気ままに生きたいという願望の表れと考えられる。身長の四倍以上とびあがる姿は美しい。
 人は犬派と猫派に分かれるというが、病気になると、犬は人に頼ってくるが、猫は頼ってこないと言われる。人も従順で頼ってくる者を好む人と、気ままで自由に生きる者を好む人の二つに分かれるのかもしれない。もっとも、猫としては、そうした色分け自体を嫌うであろう。


                              2022.8.17    水

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