藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

(1983米)『愛と追憶の日々』 家族が一番のアメリカ人 それを描いたアメリカ映画

    

 (1983米)『愛と追憶の日々』 家族が一番のアメリカ人 母娘友達家族いいね!を描いたアメリカ映画
2022.9.6 BSプレミアム PM1:00-3:13  放送。
 シャーリー・マクレーンとデブラ・ウィンガ―が母と娘を演じ、二人の人生を愛と涙でつづるドラマ。夫を亡くしたオーロラ(シャーリー・マクレーン)は娘のエマ(デブラ・ウィンガ―)を一人で育てたが、エマは成人後、オーロラの反対を押し切って結婚し、故郷を離れてしまう。アカデミー作品賞はじめ5部門賞受賞。
  エマの家庭の経済のひっ迫。夫は遠く離れた州の大学の学部長になることを強引に進めて、エマと口論になる。52歳の母親は、隣の家の宇宙飛行士とねんごろになり、「○○○○がこんなにいいなんて。彼が言うのよ。」と臆面もなく、久しぶりに帰ってきたエマに言う。エマが悪性腫瘍になり、子供の長男に「ママを愛していたのに愛していないふりをしないで」と言って、死ぬ。葬式の場は不思議と明るい。
 こういう家族の日常を描いた映画が「アカデミー作品賞はじめ5部門賞受賞」することが信じられない。所詮、アメリカは「家族ファースト」、母娘友達家族いいね! それだけかという感じがする。シャーリー・マクレーンとデブラ・ウィンガ―が友達のような母娘関係を演じて、二人とも妙に色っぽいのが受けたのだろう。
 40年前の家族賛美、母娘友達関係賛美の古くさい映画だ。ふつうのアメリカ人は自分と自分の家族にしか興味がないのではないか。彼らにわび、さびなどは到底、わからないのではないかと思う。文化的に稚拙である。歴史のない国とはそんなものだろう。科学技術は優れているが、人文はさしたるものはない。早くそのことに気づきましょう。


                             2022.9.7    水

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