藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

東大安田講堂事件  東大医学部の大名行列と日大マンモス大学の矛盾が噴出した大学紛争

     

東大安田講堂事件  東大医学部の大名行列(医学部教授の総回診に数十人がぞろぞろついて回ること。)と日大というマンモス大学の矛盾が噴出した大学紛争
2022.9.9 金 アナザーストーリーズ NHK pm10:00-10:45  「安田講堂事件 突入 そのとき 」 
 NHKというのは、本当にずるい番組制作をする。「安田講堂事件 突入 そのとき」というタイトルしかつけない。1968年、昭和43年の「安田講堂事件」は「東大医学部の大名行列と日大マンモス大学の矛盾が噴出した大学紛争」の一つの結果であるのに、個別大学名を出さない。クレームを恐れるのだろう。
 大学紛争の時、私は中学二年生だったが、中国では文化大革命があり、それを支持する大学生もいて、大学を去った人もいる。新島淳良氏のようにヤマギシ会に入った人もいる。
 結局、大学紛争は理屈しか知らない学生が暴力で社会変革しようとした暴力革命の線香花火にすぎなかった。東大等は翌年、入学試験を取りやめたが、翌々年には再開した。
 村上春樹の『ノルウェイの森』で大学紛争は批判的に描写されている。どうせ、就職活動期になれば、髪を切り、スーツを着て、就職試験を受けに大企業を回るのだろうと批判的な書きようだ。
 企業の経済活動に胡散臭いものを感じて、社会に出るのをためらう者は、いつの時代にも一定数いて、現在、ニートも100万人いるという。ともかく生活費を稼いで、自分の好きなことをするというのが基本だから、何らかの金儲けの道を選ばざるを得ないが、非正規雇用が4割の社会では、正規雇用すら簡単ではなく、社会状況は、50年前より厳しくなっている。大企業等の保身的な、守りの姿勢も問題だが、彼らも生きていかなければならないのだから、批判しているだけで済む話ではない。社会を批判するだけで飯を食っている連中は嫌いだ。不誠実だ。
  安田講堂事件の数年後の浅間山荘事件で、社会の学生運動への眼は冷ややかなものへと変わってしまった。権力というものへの無知が災いした。そのことは、ロシアについても言えることで、先祖返りして、昔の専制主義が復活している。ロシア人もウクライナ人も戦争したくないのだから、ゼレンスキーとプーチンが、一対一でガチンコ勝負をしたらいいのだが、そうはならないのが「大統領制」で、権力に制度的に正当性を持っている者の強みがある。まがいなりにも正当な手続きを経ているのだ。人民から見れば、「権力の乱用」以外の何物でもないのだが。
                              2022.9.11  

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