藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

大学の現状     拝金主義、理系化、無教養 が跋扈する悲しい現状

  

  大学の現状   拝金主義、理系化、無教養 が跋扈する悲しい現状

 信頼できる知人によると、今の大学①拝金主義②理系化③無教養化 がはなはだしいと言う。
 ①拝金主義とは、文科省の予算が削られて、その圧が各大学に来て、文科省は定員に満たない短大はお取りつぶしの方針だし、国立大学については各地域に基幹大学を作り、その基幹大学に他の国立大学を指導させようとしている。例えば、東海地方では、名古屋大学が基幹大学になり、岐阜大学や三重大学がその傘下に入り指導を受けるということである。このことは前から言われていたことであるが、安倍元首相の10年で加速化した感がある。
 ②理系化とは、かつて工学部の助手が「工学部の教授は天皇です」と言っていたそうで、理系では〇〇研究室とは〇〇教授の研究のためにせっせと研究データを下の者や学生が集める組織らしい。今は、それに費用対効果、つまりは金儲けに見合うかどうかが問われ、大学は文系も理系化して、拝金主義の巣窟と化しているという。軍事研究と言うと聞こえが悪いので、宇宙開発研究という名目で軍事研究を行うらしい。防衛大学校でそうした研究は率先して行われている。
 ③無教養化 以前は理系の先生も中国の古典や日本の古典を読んでいたが、今はまず読まない。理系の博士号はデータの結果を有意味にまとめて書けばA4一枚で取れる。教養はいらない。文系も狭小な専門外の教養はほとんどないのが現状である。
 こうした流れはグローバリゼーションという名のアメリカナイゼーションによって惹起されたものであり、心ある人は大学に期待せず、それぞれの立場で己の今、なすべきことをなすのがまっとうな生き方である。
 もっとも、すでに50%が大学に行く時代であるから、また働いている人より時間があるというメリットはあります。文系志望者が外国語や法律の基本を学ぶために大学に行くことには意義があると思います。理系志望者はよほど才能がないと厳しいです。聞くところによると、国立大の工学部の三割は追試をしてやっと卒業させているとのことです。私立大ならもっとその率は高くなるでしょう。


                              2022.10.20  木曜日

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