藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

京都観光名所 三  京都御苑 京都御所

       京 都 御 苑    蛤 御 門


  京都観光名所 三  京都御苑 京都御所
 京都の人は「御所」と呼ぶ。なんとなくよそよそしいのは、大正10年まで中に入れず、門には門衛がいたから、その雰囲気が残っているからだろうか。中でギターなど弾くと、巡視しているパトカーにやめるようにやんわりと言われる。
 宮内庁京都管理事務所は基本的に、今の状態をそのまま残すというのが方針のようで、この50年を見ても、芝生の所と砂利道を区別する印(しるし)がプラスチックのリングのようなものから墓石のような石造りのものに変わっただけである。さらに、弁天さんの池の前の橋は、以前は木製ジグザグ型で自転車が通れないようにしてあったが、今はそれもなくなり自転車通行自由になった。橋の上から池や拾翆亭を眺めるのは風情がある。
 犬は捕獲するから苑内にはいない。猫は雨の日などに時折捕獲しているのを見かける。
 静かと言えば静かだが、愛想はない。しかし、よく調べると、久坂玄瑞が自刃したところや猿が辻の鬼門、旧西園寺公望邸など興趣深いところもある。松平容保の別邸跡もある。体の弱い容保のために孝明天皇が配慮して、金戒光明寺の会津藩の本陣とは別に御所の内裏のすぐ近くに別邸を作ってねぎらった容保の別邸跡もある。
 蛤御門の変の跡の蛤御門には往時の銃痕が生々しく残っている。当時、鉛玉のようなものを撃っていたことがわかる。
 苑内は散策する人もまばらで、京の風情を感じることができる。京都迎賓館もひっそりと、名札も出ていない。何でも反対の人への配慮か。
 京都の市内にこういう静かな場所があるのは、京都らしくていい。京都は思弁的である。


                        2022.10.26   水曜日

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