藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

ミスト (映画)

     

   ミスト   自殺できず、絶叫するデヴィッド
ミスト (映画)
 2022.10.24 月 BS7 午後7時-8時54分 放送。
 この映画が興味深いのは、以下の参考知識の朱色の部分である。


 オリーが怪物に喰われる際に落とした銃をデヴィッドは持っていたが、それには弾丸が4発しか残っていなかったため、彼は「自分は何とかする」と述べてビリーら4人を射殺した。

 デヴィッドはそのあと弾がないので自殺することができず、すぐ後で救援隊が来て、死ななくてよかったことを知り、絶叫する。自殺はカソリックでは許されない。プロテスタントでもそうだろう。こうした自殺できない苦悩で終わる、「運の悪さ」を描いて終わるのはニヒリズムである。人生の不条理を描いている。アメリカ映画は単純で、正義の味方が悪者をやっつけて終わるパターンがほとんどである。こうした自殺できない苦悩を描くのは珍しい。いや、アメリカの多様性を表しているとみるべきか。


 以下参考知識     ウィキペディア閲覧
ミスト (映画)
公開 アメリカ合衆国の旗 2007年11月21日
日本の旗 2008年5月10日
上映時間 125分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $18,000,000[1]
興行収入 $57,293,715[1] 世界の旗
『ミスト』(The Mist)は、スティーヴン・キングの1980年の中編小説『霧』を原作とした、2007年のアメリカ合衆国のSFホラー映画である。監督・脚本はフランク・ダラボンであり、過去にキング原作の『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』も手がけている。
深い霧に包まれた街で巻き起こる怪異と徐々に秩序を失う人々が描かれる。



   物語
 激しい嵐が町を襲った翌朝、湖のほとりに住むデヴィッド・ドレイトンとその妻のステファニーは自宅の窓やボート小屋が壊れているのを見つける。デヴィッドは買い出しのため、8歳の息子のビリーと隣人のブレント・ノートンと共に車で地元のスーパーマーケットへ向かった。店は客たちで賑わっていたが冷蔵庫以外は停電していた。デヴィッドたちが買い物をしていると、店外ではパトカーや救急車が走り回りサイレンが鳴り始めた。その直後、鼻血を流したダン・ミラーが店内へ逃げ込み「霧の中に何かがいる」と叫ぶ。店内の一同が戸惑うなか店外の辺り一面は白い霧に包まれていく。不安に駆られた客たちは店内へ閉じこもった。
狂信者のミセス・カーモディは「これはハルマゲドンの始まりだ」と考える。自宅に2人の子供を残してきた女性は誰か一緒に付いて来てくれるように懇願したが、皆に拒否されたために「全員地獄に落ちればいい」と言い残して1人で霧の中へと出ていった。そんな中、デヴィッドとビリーは教師のアマンダ・ダンフリーと仲良くなる。デヴィッドはメカニックのマイロン、ジム、ノーム、そして副店長のオリー・ウィークスと共に倉庫を調べ店外の排気口の様子を見るためにシャッターを開けるが、そこから謎の触手が侵入してきてノームが連れ去られてしまう。デヴィッドたちは店外に謎の生物がいることを皆に伝えたが、ノートンをはじめとする懐疑的な者たちは救助を要請するために脱出することを主張する。そこでデヴィッドは彼らがどこまで行けるのかを調べるため、外出する彼らのうちの1人の男にロープを結びつけた。ノートンたちが霧の中に消えロープは少しずつ伸びていくが、突然ロープがとても強い力で引っ張られる。ロープを引っ張っていた力が急になくなりたぐり寄せると、男の下半身だけが帰還した。
    夜になると、店内の光に惹き寄せられて巨大な羽虫や翼竜のような怪物が窓を破り店内に侵入し、デヴィッドたちは辛くもこれを撃退するが店内で犠牲者が出てしまう。その混乱を受けミセス・カーモディの狂信的発言を信じる者が現れ始めるなか、デヴィッドたちは負傷者を助けるため隣の薬局へ医療物資を取りに行った。薬局内は蜘蛛の糸に覆われており、デヴィッドたちは柱にくくりつけられたMPを発見する。謝り続けるMPの体から無数に出てくる蜘蛛のような生物の襲撃を受けたデヴィッドたちは、犠牲者を出しつつも店へと逃げ戻る。
    店に戻ると、3人の兵士のうち2人が自殺していた。残り1人のジェサップ二等兵は「軍が異次元を観察する『アローヘッド計画』を実行している」という噂について問い詰められたうえ、そのことをミセス・カーモディの信者となったジムに聞かれてしまう。ミセス・カーモディは「ジェサップに責任がある」と演説し、彼は店内の人々にナイフで何度も刺されたうえ生贄として店外に放り出され、何者かに霧の中へと攫われる。
 ミセス・カーモディとその信者たちを恐れたデヴィッドと一部の生存者たちは、物資をかき集めて店外への脱出を計画する。夜が明けてデヴィッドたちは動き出すが、彼らの前に立ちはだかったミセス・カーモディは「ビリーを生贄に差し出せ」と要求する。信者の男たちとの戦いのなかオリーがミセス・カーモディを射殺し店内の脱出に成功する。店から車へ向かう最中、オリー、マイロン、コーネルが怪物の餌食となりバド・ブラウンは間に合わず慌てて店内に引き返した。結局、デヴィッドの車に乗り込めたのは彼とアマンダ、ビリー、ダン、アイリーンの計5名であった。信者たちが静観する中デヴィッドの車は走り去っていく。
  霧の中、デヴィッドは自宅へ辿り着くが妻は屋外で糸に巻かれて死んでいた。悲しみをこらえ南に向かったデヴィッドたちは生存者に遭うことも無く、崩壊した街の風景や何百フィートもある巨大な怪物を目撃する。そして、ついにデヴィッドの車はガス欠となり、彼ら4人の大人は眠ってしまったビリーの横で生還を断念する。オリーが怪物に喰われる際に落とした銃をデヴィッドは持っていたが、それには弾丸が4発しか残っていなかったため、彼は「自分は何とかする」と述べてビリーら4人を射殺した。
     半狂乱となったデヴィッドは車を飛び出し「自分を殺せ」と叫ぶ。だがその直後、霧の中からは現れたのは自走砲や火炎放射器で怪物たちを焼き殺す兵隊たち、そして霧が発生してすぐに店を出ていった女性と彼女の2人の子供を含む生存者らを載せたトラックだった。判断を間違え、無駄に仲間の命を散らしてしまったデヴィッドは霧が晴れていくなか後悔の念にかられて絶叫し続けた。

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                            2022.11.8    火曜日

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