藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

I am Sam アイ アム サム  BSP 2022.11.7 月 pm1:00-3:13

       

  I am Sam アイ アム サム 2001 米  BSP 2022.11.7 月 pm1:00-3:13
   父親は7歳の知能を持つ知的障害者。娘は同じ7歳だが、すでに父親の知能を抜いてきている。しかし、二人のきずなは強く、いつまでも一緒にいたい。そこに社会福祉制度が介入してくる。女性弁護士があいだに入って調停するが、二人での生活は難しい。
 やがて、父親と娘の愛のきずなの強さに女性弁護士は「私のほうがあなたによって救われている」とつぶやく。最後に、娘は里親引き取り家族の家に住み、自由に父親に会えることになる。父親はサッカーの審判ボランティアをして、娘のサッカーをする姿を楽しむ。ハッピーエンド。


   ノート
 アメリカは社会福祉制度が充実しているが、場合によっては社会から障がい者を隔離する恐れがあることに警鐘を鳴らしている。
 アメリカは自由を基本とする国だが、機会の自由であって、能力の平等を基本にはしてはいない。非情な競争社会である。
 多民族社会では、金が評価基準となる。しかし、平等への意識も高く、さらに杓子定規な社会福祉制度への批判もあり、この映画はそのことを象徴的に描いている。愛情が制度に勝利することがあることを描いた秀作である。


                             2022.11.9    水曜日

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