藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

2008年 日本  「おくりびと」  「穢れ」とは何か?

 

 2008年    日本  「おくりびと」  「穢れ」とは何か?
 遺体を棺に納める「納棺師」を主人公(本木雅弘)に描き、日本映画初のアカデミー外国映画賞を受賞。


       ノート
 「穢れ」を描く。妻(末広涼子)は納棺師になった夫に「普通の仕事をして。実家に帰る。その仕事、やめたら帰ってくる。」と言って、立ち去る。やがて、子供ができたことがわかり、主人公の行き別れの父親を手厚く納棺する主人公やLGBTSの夭折した若者をやはり心を込めて納棺する姿に妻は考えを変えて、帰って来る。
 肉を食べるのに、肉処理業者をかつて差別した日本人。天皇を尊貴・清浄の頂点として、周辺や隣国を「穢れ」とした日本人。
 在日の崔洋一監督が亡くなった。享年72歳。『血と骨』という肉処理業者を扱った映画を撮っている。ビートたけし主演。
 理屈ではなく、人間が個体であることからも来る、他者への絶対的優位の位置を保とうとする根深い問題。教育と「知ること」によるしかなくならないのだろうか。

 視覚障がい者で「こずえ」という人が、最近、TikTokで視覚障が実情、実際に困ることなどを動画でアップしている。地下鉄の入り口などで、ポーン、ポーンという電子音が鳴るのは、視覚障がい者に地下鉄の入り口であることを知らせるためなのだということを知った。視覚障がい者は駅にたどりついても、入り口を探すのが容易でないという。心無い、無知の者はその音がうるさいというそうである。自分のことしか考えない心の醜いゲス人間にはなりたくない。

                 

   2022.12.1    木曜日

×

非ログインユーザーとして返信する