藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

江沢民死去  96歳

    

                                      揚州チャーハン 


 
   江沢民死去  96歳
   江沢民
  1926年8月 中国揚州市出身。 煙花三月揚州に下る の揚州である。


『黄鶴楼送孟浩然之広陵』李白
  故人西辞黄鶴楼、
  煙花三月下揚州
  孤帆遠影碧空尽、
  惟見長江天際流。


日本語訳はこちら
  『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』
  故人西のかた黄鶴楼を辞し、
  煙花三月 揚州に下る
  孤帆(こはん)の遠影 碧空(へきくう)に尽き、
  唯だ見る長江の天際(てんさい)に流るるを。


  かつて日本の高校でも習った唐詩の定番。もう高校で教えなくなるかもしれない。文科省が今年度から「論理日本語」というガレージの駐車場の契約文書とかを教えることを中心にするように指導要領で決めたため。アメリカの真似をしてたら、歴史も過去の文学も教える必要、ないわなあ。本当に文科省は馬鹿、屑の上級公務員試験最下位の落ちこぼれの集まりだ。アメリカに高級な文化はない。そのことがわからない。要するに、権力、武力、科学力、金力を持っているのが一番なのね。どうしようもない。


 揚州は、揚州チャーハン(あっさりとした薄味。)が有名である。1989年6月の天安門事件で趙紫陽党総書記が学生の言い分に同情的過ぎて失脚したのを受け、鄧小平の抜擢で後任の総書記に就任した。1993年、党、国家、軍の三権を掌握。1998年11月、中国国家元首として初来日。2002年、党総書記、国家主席、軍事委主席を胡錦涛氏に引き継ぎ、2005年3月に完全引退した。2007年10月の第17回党大会で習近平氏を次期総書記の座に引き上げたとされる。(京都新聞 2022年12月1日 朝刊関連記事の大要。)


    ノート
 天安門事件の後、鄧小平の命で総書記になったのだから、1990年代に愛国主義教育を主導したのは当然であった。もっとも、それが「反日教育」に結びついたとするマスコミの主張は根拠がない。それが証拠に、2005年5月の反日デモの盛んな際に私は訪中したが、揚州の南の鎮江や南京では反日デモは全く見られなかった。愛国主義教育はあくまで、若者への愛国主義を高めるための方便であったと考えられる。
 1992年に中国は尖閣諸島を領海法で自国の領土としたが、日本政府も日本のマスコミも何等の反応もしなかった。彼らはアメリカの顔色を見て動くだけの、自分の主張のない連中であることがよくわかる。
 今も「反撃能力」を主張するが、アメリカの意向に忖度し、マスコミのムードによる黙認の結果で、日本外交のこの10年の成果のなさについての反省はみじんも見られない。認識力に欠ける国民の責任もあり、税金にそれは跳ね返ってくる。戦争、戦争に備えるのも金儲けになる。〇〇重工の株価は上がっているのではないか。


                               2022.12.6  火曜日

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