アカシアの雨がやむとき 西田佐知子
歌詞
アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
夜が明ける 日がのぼる
朝の光りのその中で
冷たくなったわたしを見つけて
あの人は
涙を流してくれるでしょうか
アカシアの雨に泣いてる
切ない胸はわかるまい
思い出のペンダント
白い真珠のこの肌で
淋しく今日も暖めてるのに
あの人は
冷たい眼をして何処かへ消えた
アカシアの雨が止む時
青空さして鳩がとぶ
むらさきの羽の色
それはベンチの片隅で
冷たくなった私のぬけがら
あの人を
さがして遥かに 飛び立つ影よ
ノート
今から50年前。1968年。大学紛争で世は物情騒然としていた。私は中学二年生。この歌が退廃的だがなぜか心に残っている。(実際は1960年にリリース。)時代を反映していたのか。
冷たくなったわたしを見つけて
あの人は
涙を流してくれるでしょうか
悲しくも美しい。夭折を美化する時代の雰囲気もあった。今では私にはそういう感覚はなくなった。苦しんだり、怒ったり、陥れられたり、不条理な中でじっとそれを耐えたり、そんなことが積み重なって、心は鍛えられていったように思う。生きていくこと。それが大事。
玉置浩二の「生きていくんだ、それでいいんだ」(『田園』)は単純だが、必要なこと。存在が先にまずあって、次に用途、目的などが来る。それが実存主義だ。生命は第一に存在、形である。生命を不条理に損なってはいけない。戦争は絶対悪だと思う。
西田佐知子さんは、関口宏さんの妻。西田さんは、健康を害して、関口さんは都内の豪邸を手放して、マンションに移ったとか。息子は関口知宏さん。NHKの中国、ヨーロッパなどを巡る鉄道旅で有名。
2022.12.8 木曜日