藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

1998 米  交渉人   2022.12.13 BS4 pm7:00-8:54

    

    1998 米  交渉人   2022.12.13 BS4 pm7:00-8:54 放送
 警察内部の腐敗を暴くことになったシカゴ警察内部のナンバーワン人質交渉人ローマン(黒人)が追い込まれて殺人犯に仕立て上げられて、人質を取り、立てこもり、ローマンがもう一人のトップ交渉人クリス・セイビアンと「交渉」するさまをを描く。


    ノート
 アメリカが言葉による「交渉」社会であることがよくわかる。契約社会と言ってもいい。
 警察上層部が交渉人クリスの全権を無視して、警察の特殊部隊を突入させて、犯人に仕立て上げられたローマンを射殺しようとする。FBIが権限をよこせと言い、警察、交渉人、FBIの間で紛糾する。
 最後は犯人に仕立て上げられたローマンの無実が証明される。警察上層部の賄賂汚職を調査していて、警察上層部に射殺されたローマンの友人の射殺容疑でローマンを陥れた警察上層部の幹部が逮捕される。
 日本には交渉人のような存在があるだろうか。肉親が説得に当たるということはあるが。それに、できるだけ犯人射殺はしないようにするだろう。銃社会アメリカでは、相手が発砲しようとしたら、それより先に発砲する「正当防衛」が認められている。それだけ、階級差による貧困、対立、闘争が日常化している社会である。優れた人はごく一部いるが、過酷な競争社会から脱落し居場所を失った人が多数いる。共通の価値観が対立、闘争だけでなく、共同体である必要がある。それには、過去の反省と認識が必要だ。日本にも言えることだと思う。
 アメリカには犯人引き渡しの旅を生業とする男もかつて西部劇の社会にいた。クリント・イーストウッド主演で映画化されている。社会の成り立ちの違いを理解するのは相互理解の始まりである。マスコミの報道では結果だけ報道するので、それが見えてこない。特に日本のマスコミは忖度をするデスクが少し偏ると握りつぶすので、同じような報道ばかり各新聞社、テレビ局各局でしている。事実だけでなく、特色ある視点の報道をすべきなのに、コマーシャル提供企業への忖度によって、無難な報道に流れてしまっている。視聴者はそのことを認識しなければならない。


                      
                             2022.12.14    水曜日

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