1967 米 招かれざる客 BSP 2022.12.15 pm1:00-2:49
1967 米 招かれざる客 BSP 2022.12.15 pm1:00-2:49
あらすじ
娘の結婚相手が黒人だったことで苦悩する白人夫婦を描く。キャサリン・ヘプバーンがアカデミー賞を受賞。娘の結婚相手の黒人男性役は今年1月に亡くなったシドニー・ポワチエ。親の白人夫婦はキャサリン・ヘプバーンとスペンサー・トレイシーが演じる。
ノート
娘はC・ホートンが演じるが、なぜかBSPの最後の役者紹介では見事に無視されている。何かあったか、C・ホートン?何かやらかしたのかもしれない。立派な演技で、見た目もいいが。
アフリカ系アメリカ人公民権運動=公民権の公民権の取得と人種差別の解消を求め、1950年代から1960年代にかけてアメリカの黒人が行った活動 の影響が色濃い映画である。理性に訴える内容で、感情、感覚まで変えることができなかったから、今でも ブラック・ライブズ・マター が問題になる。最近、思うが、「民主主義」や「人権」は「理念」としては立派でもっともなものだが、実践において変革されていないという欠点がある。左翼思想にしてもそうで、批判するだけで、何も現実は変わっていないという弱点がある。文化というものは前代のものを半分残しながら、動いていくもので、そのことをよく観察し認識する必要がある。
この映画でも親の白人夫婦は涙を浮かべて娘夫婦の結婚に最後は賛成するが、所詮は「理屈」、「理性的」承認である。それに、黒人男性はドクターという設定で超エリートである。この後、2018年には反芻回顧的な『グリーンブック』(アメリカ南部の黒人専用宿泊施設などの紹介本)のような超エリート黒人の孤独が描かれている。今でも根強い差別がアメリカにはある。どうしようもないのか。
基本は金儲けできる人間とできない人間の差から生じる差別を生む拝金万能主義に胚胎しているように感じられる。労働価値説ならぬ金儲け価値説がアメリカの本質。気を付けましょう。
2022.12.17 土曜日