藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

御金神社  おかねじんじゃ?

 

   御金神社   おかねじんじゃ?

  京都の二条城を横に見て、三条西友に買い物に行く。月に二度ほどの私の日曜朝のルーティーン。昨日もそうして帰りに、ふと御池通りの西洞院通りを見てみると、100人程の長蛇の列ができている。交通整理まで出ている。急遽、西洞院御池通りから北上した。

 ははあん!御金神社に集まっているんだ。おかね神社にあらず。みかね神社である。漢字にすると「おかね」とも「みかね」とも読める。同音語は日本文化の特徴で「だいこく」=「大黒」=「大極」などがその例である。そのバージョンで同漢字語の複数読みである。
 本来、近くの釜座通り(釜で金属に関係がある)や両替町通り(かつての金座、銀座で金属、更には 金 カネ に関係がある)からわかるように 金属関係を祀る神社である。 金属=金 かね =お金 という連想である。同じ漢字の 金 が金属の意味から お金 の意味にも拡張されたのである。
 御金神社は鳥居が近くの金属業者の奉納でキンキラキンになって、更に衆目を集めるようになった。
 庶民信仰は、祈れば神さんは祈りをかなえてくれると実に現世利益で実際的。神さんの意向などどこ吹く風。しかし、バカにしたものでもなく、これも日本文化の一つなのである。
 キリスト教では自分のことを祈ってはいけないと、ドイツ人女子留学生が言っていた。日本の神さんは寛容なのか。日本人が深く考えない、おめでたい人たちなのか。参拝者は神妙に列に整然と並んでいる。整然と並ぶのも日本の文化である。「そこが変だよ!日本人」というテレビ番組がかつてあった。外国人が日本について不思議に思う点を言いあう番組である。外国人がどう日本のことを思っているか、異常にそのことを気にするのも日本人の文化の一つの特徴である。面白い日本文化。


                             2023.1.9   月曜日

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