藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

2016 米  マグニフィセント・セブン

     

   2016  米 マグニフィセント・セブン   BS12 2023.1.7 pm:7;00-9:30
          あらすじ
   黒澤明『七人の侍』を原作とする西部劇『荒野の七人』のリメイク。
 暴漢に支配された町で夫を殺されたエマや人々がわけありアウトロー7人を雇って、復讐する。拳銃、ライフル、弓矢などで命を懸けて戦う。
 「腹の底から奴らを憎め」というアウトローたち。日本人とはちと違う。
 悪逆非道な、富を収奪する無頼者に対して、民衆が立ち上がって武装して彼らを殺していく痛快さ。庶民の夢がここにある。
 悪魔のガトリング砲が連射で人々をなぎ倒していく。殺すこと自体が目的のような凄惨さがある。それに対して、7人は更なる何かのために「崇高な精神」をもって戦い続ける。


   ノート
 少し冗長で、中だるみがした。黒澤明の『七人の侍』は民衆パワーを重んじる時代背景もあり、戦いの中で民衆が悪者を蹴散らし、自治を実現する物語である。その内容は欧米でも受け入れられ、イタリアやアメリカでもリメイク物がつくられた。『荒野の七人』やこの『マグニフィセント・セブン』がそうである。
  ただ、この『マグニフィセント・セブン』ではガトリング砲による殺戮場面など凄惨である。日本人には桃太郎侍のほうがしっくりくる。
    一つ、人の世の生き血をすすり
    二つ、不埒な悪行三昧
    三つ、醜いこの世の鬼を
    退治てくれよう  桃太郎 !


 あながち、バカにはできない正義の味方。
 黄門様の「この印籠が目に入らぬか!」も一番強い権威には土下座する日本人には効果抜群!


                       2023.1.10    火曜日

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