藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

2016 米  ジェイソン・ボーン  国家と対峙する苦悩を描く

   

   2016 米  ジェイソン・ボーン  BS7   2023.1.30      pm6:30-8:54
              あらすじ
  記憶を失った元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、身を隠して生きていた。そこへ元CIA連絡員ニッキー(ジュリア・スタイルズ)がたずねて来て、ボーンの父親に関する秘密をボ―ンに教える。ニッキーはそのために狙撃手に打たれて死ぬ。ボーンは父親の死の真相に迫っていく。
 CIA長官のデューイ(トミー・リー・ジョーンズ  2012年8月からは、「BOSSコーヒー20周年」とソフトバンクモバイルの「プラチナバンド開始」の共同キャンペーンの一環として、「宇宙人ジョーンズ」と「白戸家」両シリーズのコラボレーションCMにも出演している。ウィキペディア閲覧)は新作戦の障害になるボーンを殺害しようとし、ボーンに恨みを持つアセットは復讐の機会を狙っていた。ボーンはCIAに戻ることを誘われるが、保留する。


       ノート
 国家機密に迫ろうとするボーン。それは父親の不名誉な死を明らかにすること。ボーンの闘いは続く。国家と対峙する苦悩を描く。
 ハイテクが駆使され、携帯から居場所がピンポイントで映像として明らかになり、ピンポイントでの狙撃も可能である。ビン・ラディンの隠れ家での銃殺をオバマ大統領たちがリアルタイムの映像で見て、拍手したという話が想起される。
 この映画の基本にあるのは、国家という抽象的概念を守ろうとするCIAとその中からはじき出されたり犠牲になった人たちとの相克、国家と対峙する苦悩である。マット・デイモンは翳のある、生真面目なプロ格闘家、元諜報員を見事に演じている。
 アメリカの単純な従来の映画にはない、アメリカの陰の部分、国家との間で苦悩する個人が描かれている。


                         2023.2.4      土曜日

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