藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

1996  米   ザ・ファン

    
    1996  米   ザ・ファン  20232.27  BS7     pm6:54-8:54
      あらすじ
   さえないセールスマンで、裁判所命令で子供と会えない男、ギルをロバート・デニーロが演じる。うらぶれた、思い通りにならないとすぐカッとする中年男をデニーロが見事に演じている。役者として油の乗っている時期の作品。
 サンフランシスコジャイアンツの大ファンで、サンフランシスコジャイアンツに移籍したホームラン打撃手のボビーに面識もないのに電話するギル。南米系の選手、プリモの背番号11をほしがりこだわるボビーの交渉人になったような思い込みで、ボビーに背番号11を譲るようにプリモを脅迫し、ナイフで殺してしまうギル。
 ボビーはその後、大活躍。ガンガン打ちまくる。ギルはちょっとは俺に感謝しろと一人つぶやく。もうサイコパスだ。
 ギルは偶然、海でおぼれかけていたボビーの子供を救う。ボビーはギルを家に呼んで、もてなす。スランプを抜け出せたのは自分のおかげだと思っていたギルは、ボビーに背番号は不振に関係ないと言われ、カチンとくる。プリモが死んで嬉しいとボビーに言えとギルはボビーに迫るが、ボビーは拒否して、ギルはさらにカチンとくる。
 ギルは助けたボビーの子供を無断で連れ出し、ボビーの車で子供に釣りに連れていくと言って誘拐する。
 「明日の試合で俺のためにホームランを打て。そうしたら子供を無傷で帰してやる。」とギルはボビーを脅迫する。土砂降りの雨の中、ボビーはランニングホームランを打ったかに見えたが、ホームベースの審判がギルでアウトを宣告される。
 最後に、ギルは球場で警官隊に射殺され、ギルの子供は帰って来る。


   ノート
 野球ファンのストーカー・サスペンス。アメリカ映画のパターンの一つは Die  Imago 神の似像 として、警官などが悪者を射殺して終わるというもの。日本映画なら、犯人が改悛の情を示して、号泣するというパターンもあるが、アメリカ映画の場合は、ダーティ・ハリーのように悪人を射殺して終わりというパターンが多い。単純である。正義の味方、世界の警察、アメリカの映画らしい。息もつかせず、引っ張っていくストーリー展開は大したものだが。


                             2023.3.6  月曜日

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