高校中退し職人の道を歩む自由 二条城で錺(かざり)金具の美しさに魅了された青年
高校中退し職人の道を歩む自由 二条城で錺(かざり)金具の美しさに魅了された青年
京都新聞 2023.4.7 朝刊 記事 「二条城で錺金具の美しさに魅了され、高校中退し
職人の道に進む」
記事概要
15歳の時、家族で二条城を訪れ、錺金具に心を奪われて、京都市下京区の森本錺金具製作所に電話をして見学した森優さん(19)。その場所で錺職人の無駄のない手の動きに魅了され、働きたくなって、高校を中退し、アルバイトで働き始め、最初は洗い物と片付け、整理整頓のみ、2021年12月に18歳になり、正社員に採用される。
最初はわからなかったが、教えてもらいながら、一つ一つできることが増えていくのが楽しい。機械は使わず、すべて手作業。「今は何もできないけど、今目の前にあることを一生懸命やっていきたい」と意気込む。
母親は森優さんが高校を中退するとき、「やりたくないことをやって無駄な時間を過ごすより、やりたいことをやりなさい」と背中を押してくれたという。
ノート
本来、職人になるなら、高卒より中卒のほうがいいというのを聞いたことがある。中卒のほうが素直だから、すべてを全身で吸収していくのだそうだ。大体、高校の授業は数学や、英語、更には他の授業など、本当に理解して習得するには、一日、家に帰ってから3、4時間は勉強しなければ身につかないだろう。それをしないのは、ドロップアウトして遊びに走ったりする。受験校が流行るのは、勉強の習慣化がなされているからだと思う。
勉強が嫌いなら、いっそのこと中卒で職人の道を目指すというのもありだろう。しかし、周りを見てどうするか決めるこの社会では、なかなかそれは難しい。「人の振り見て我が振り直せ」という社会である。それは一概に悪いことではないが、中卒で職人になるのも「自由」という社会のほうが、本当に「自由」な社会である。
「自由と法を重んじる国際社会」というが、「アメリカの言う自由と法を重んじるG7中心の国際社会」ではないのか。
こうした青年のことを取りあげる京都新聞を少し見直した。二条城の錺金具に心奪われる青年というのもいい話だと思う。世界遺産の二条城を物見遊山で見に来る観光客がほとんどの中で。毎週日曜日、そうした二条城の観光客を見ながら、私は自転車で三条西友へ買い物に行く。
2023.4.13 木曜日