藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

諏訪春雄(2023)『日本国誕生の秘密 伊勢・出雲・三輪、その三社の神様の様子』河出書房新社 2

   

諏訪春雄(2023)『日本国誕生の秘密 伊勢・出雲・三輪、その三社の神様の様子』河出書房新社 2
 天皇側を含めた日本文化の構造は中心の聖、第一外輪の俗、第二外輪の賤という図式としてとらえることができる。日本の歴史と文化はこの三者の反発と融合のなかで形成されてきた。この展開で、俗はしばしば聖と対立・葛藤したのに対し、賤は俗を越えて直接に聖と結合し、独自の文化や芸能を生んできた。(p.173)


   ノート
 天皇と乞食を「おもらい」としての共通項でくくる考え方がある。貴種流離譚もある。聖と賤は結びつくことがある。それに対して、俗(たとえば、政治)は聖と対立・葛藤した。
 皇居という中心の聖に隣接して国会等の俗が存在する。それが日本的な在り方だと諏訪春雄氏は言う。



                            2023.8.11   金曜日

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