祓い 穢れ
祓い 穢れ
祓い はらい 穢れ けがれ は日本文化のキーワードである。
『冷泉貴美子が紡ぐ「四季の言の葉」』(京都新聞 2023.8.6 朝刊)によると、
祓いの方法で一番よく使うのは清水で身を清めるみそぎで、最初、体全体を水につけ
ていたのが、やがて足だけ、手だけ、そして人の代わりに人形 ひとがた をした葉や
紙で、体をなで、息を吹きかけ、穢れを移して、その人形を川に流した。
民俗学の本によると、よそ者が村に来ると、その人間をみんなでボコボコにして、村から追い出すという風習のある村がかつて日本にあったという。穢れを他者に押し付けるのである。
外国人労働者や出自が日本でない人たちに穢れを移してボコボコにするようなことはあってはならない。
日本人といってもあいまいな概念で、「日本人、日本人」という人間に限って、日本人的な温厚さや寛容の精神、和をもって貴しとなす、といった精神を持っていない排外主義者であることが多い。
インターナショナリズムとナショナリズムはあざなえる縄の如しである。どちらか一方では成立しない。『日本語成立事情』の著者、柳父章氏もそうした意味のことを言っている。
2023.8.16 水曜日