藤田昌志 比較文化のブログ

和・洋・中を比較文化学的に考察する。トピックは音楽、映画、本の紹介、歴史、文学、評論、研究等 多岐にわたる。

晩夏

  晩夏
 夏の終わりを晩夏と言う。
 実際は9月のほうが8月より
 暑い気がする。
 空間的な量的認識を
 時間的な量的認識に敷衍して
 あたかもそれが客観的に存在するかのように
 西洋学問は規定した。
 ベルグソンはそれに反対し
 エラン・ヴィタル  生の飛躍を説き、
 主観的と思われる時間を重視し、
 首を長くして待つのは長い時間、
 楽しい時はアッと言う間に過ぎる短い時間と言い、
 生命の樹は花火のように拡散したと説く。
 9月なのにまだ暑いなあ、いつまで暑いんだろうという思いの中に
 「夏」は生きている。
 最近は亜熱帯化して
 日本の秋と春はあまり感じられなくなり、
 合服も着ることが少なくなった。
 エアコンの普及も一因している。
 命に危険な夏が終わると、
 台風が来て、
 天高く馬肥ゆる秋が来る。
 この言葉はかの国では北方異民族の収奪到来を警戒せよと言うのが原義で
 日本に来ると、自然の恵みの秋を象徴する言葉となった。


                             2023.8.29   火曜日

×

非ログインユーザーとして返信する